ライデルの連続救援失敗で阿部巨人“70億円補強”が崩壊危機

 阿部慎之助監督率いる巨人が、期待を背負った“70億円補強”の成果に苦しんでいる。

 7月9日の中日戦(福島)では、9回二死までリードを守っていたものの、守護神ライデル・マルティネスが中日・細川成也に痛恨の逆転3ラン本塁打を浴び、劇的な敗戦。マルティネスは前戦に続き、2試合連続となる今季2敗目となった。

「マルティネスがセーブに失敗したのは、中日時代の2023年5月以来。巨人に加入してからは初で、登板しての逆転負けはなんと約4年ぶりの非常事態です」(スポーツ紙記者)

 マルティネスは今季から年俸12億円超、4年契約という大型契約で中日から移籍(金額は推定)。巨人が“守護神の再編成”の中核として獲得した最重要戦力だった。しかし、7月だけでマルティネスと大勢のリリーフ2枚看板が絡む敗戦は3試合目。特に酷暑の中での登板が続き、コンディション面にも不安が残る。

 補強が苦境に立たされているのはマルティネスだけではない。

「阿部監督が『日本一の司令塔』と期待してソフトバンクから甲斐拓也を獲得しましたが、打率は急降下、守りではこの日もマルティネスの球を後逸するミスがありました。さらに、必ず2桁勝てると見込んで楽天から迎えた田中将大は二軍で調整が続き、一軍登板すらない状況です」(球団関係者)

「70億円補強」とまで言われた巨人の大型補強。だが、シーズン後半に入り阿部監督の見立てが次々と裏目に出ている現状は、チーム全体に大きな重圧を与えている。巻き返しのカギは、守護神マルティネスの再起と、補強組の本領発揮にかかっている。

(文・小田龍司)

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