東京五輪の予選も兼ねた「第2回プレミア12」は、まるでNPBの別興行のようだ。
侍ジャパンが一次予選会場となる台湾に到着、決戦の舞台となる桃園国際野球場での練習をスタートさせた頃、地球の裏側のメキシコでは一次リーグA組の試合が行われていたが(現地時間11月3日)、記者の間では「NPBに関係のある選手の名前が目立つ」という話がもっぱらだ。
3日のドミニカ共和国対オランダでは、4番右翼でスタメン出場したのが、元楽天・ペゲーロ。6回に試合を決定づける本塁打を放ち、巨人から戦力外通告を受けたアメダスも2イニングを投げている。こちらは「被安打2、失点1」だが、ストレート中心の真っ向勝負を挑んだ結果である。
「広島のメヒアも代打出場していました」(特派記者)
ドミニカ共和国の“NPB選手たち”は、前日のメキシコ戦でも、見慣れた顔ぶれと対戦している。メキシコの3番三塁は、巨人のビヤヌエバ。また、同じく退団が濃厚な阪神・ナバーロ、中日、オリックスに在籍したクラークもいた。6回にはそのナバーロとクラークの連続アーチが飛び出しており、日本のプロ野球のレベルの高さがアピールされた。
そんなNPB選手たちの活躍も目立つA組の予選突破の本命は、やはり、アメリカ代表。オリックスのディクソンがエントリーされているが、あとはマイナー選手と元メジャーリーガーのフリーエージェント選手だけだ。
「メジャーリーガーはプレミア12にはあまり興味がないようです。売り込みたい選手が集まりましたが、彼らは日本球界を経て成長した点をアピールしています」(在米ライター)
オリンピックの競技復活もそうだが、野球競技の世界普及にメジャーリーグの協力は不可欠。しかし、「米国が非協力的なら、日本頼み」の図式も構築されつつあるようだ。
(スポーツライター・飯山満)