サンドウィッチマンの富澤たけしが6月12日、自身のブログを更新。《もはや2年に1度くらいの恒例行事と化している『富澤の尿路結石』。最近も腰の痛みや血尿が続き、病院に行くと前回あった2つが順調に育っています、ということでした。2つとも4ミリ超え》と、写真付きで尿路結石の状況を説明。《皆さんもお気を付け下さいね！何かあったらすぐ病院に！》とファンに注意を呼びかけた。
富澤は《腰の痛みと血尿で動き始めたな、というのがもうベテランなのでわかります》として上で、《今日、めでたくスポンッと生まれました！》と結石が排出されたことを、軽いノリを交え綴ったものの、実は尿路結石の痛みは「お産の次に痛い」と言われるほどの激痛だと言われる。
腎臓で作られた尿は、尿管から膀胱を経て尿道を通って排出されるが、この尿の通り道が尿路と呼ばれる場所だ。尿路結石は、この通り道に何らかの要因で腎臓でできた結石が引っかかり、強烈な痛みなどの症状を起こす。
症状としては、血尿や慢性的な腰痛、腹部から背中、わき腹に起こる筋肉の痛みが特徴で、大半は壮年男性だが、閉経後女性にも高頻度でみられる。しかも、夜間や早朝に起きることが多く、痛みが3～4時間持続するため、患者にとっては相当の苦痛を強いられることになる。
結石は、尿に含まれるカルシウムやマグネシウム、尿酸などの成分が過飽和状態になって結晶化したものだが、結石ができるメカニズムについては不明。ただ、要因には体質遺伝のほか、生活習慣が大きく左右しているとされ、水分の摂取量が少ない人、大食いで特に肉類を好んでよく食べる人、そして汗をよくかく人はリスクが高いといわれる。
ではどうやって、この厄介な尿路結石を予防したらいいのか。それが以下にあげる4点だ。
(1)1日2L以上の水分摂取を心がける…ただし、カフェインや糖分を含む水はNG。それらを含まない水や麦茶などをたっぷり飲む。
(2)食事内容に気を付ける…塩分や糖分、脂肪分の多いものを食べすぎない。
(3)結石を作りやすいとされている食材をとらない…ホウレン草や紅茶、チョコレート、レバーなどは「結石」を作り出す食材を避け、食物繊維をたくさんとるようにする。
(4)就寝前にコップ1杯程度の水を飲む…結石は就寝中にできやすい。そのため、寝る前には意識的にコップ1杯程度の水を飲む習慣をつける。
尿路結石は生活習慣と連動しているため、再発率が高い。サンド富澤の場合も、わかってはいながら仕事の忙しさもあり、なかなか不規則な生活が改善できず、結果、再発を繰り返している様子。薬物療法で改善しない場合、あるいは1cm以上の結石ができた場合は、内視鏡を尿道から挿入し、レーザーで結石を砕いて取り除く「経尿道的尿管砕石術(TUL)」、皮膚から腎臓に向けて穴を開け、そこから内視鏡を挿入し結石を砕いて取り除く「経皮的腎砕石術（PNL）」などの手術が行われることになる。
また、結石が詰まって腎臓に尿が溜まり、そこに細菌感染が起こると腎盂腎炎を起こし高熱が出て、ともすると重症化する恐れもある。まずは排尿後に出血があったり痛みを感じた場合は、すぐに泌尿器科を受診すること。そして、「恒例行事」にならないため、生活習慣の見直しが必要になるということだ。
（健康ライター・浅野祐一）
