新年度の予算案をめぐり、2月5日から3日間にわたって行われている「省庁別審査」。野党側は予算案の無駄を指摘し、野党各党が主張する政策のために財源を振り分けるよう求めている。
「第二の仕分け」と言われる審議が行われている中で、自民党の小泉進次郎元環境相が「報道1930」(BS―TBS)に出演し、立憲民主党の長妻昭代表代行と議論を繰り広げた。
当初の予算案について小泉氏は「我々与党としては、必要だと思ったからこの予算案を作っていますので、私は野党から見れば『いらないだろ』『無駄だろ』ということは指摘をしていただければいいと思うんです」と述べつつも、「与党としては自信を持ってこの予算案を作ったわけですから、そこの指摘に対してやはり我々はなぜ必要だと思ってるかということはしっかり言うってことは大事なことだと思う」と主張した。
この意見に対して、長妻氏は予算案の事前審査制に触れて「自民党でバチッとですね、みんなで議論して決めて、党議拘束がかかって、そして予算案が国会に出てくる。文句が言えないような状況の縛りがある」と指摘し、党議拘束は採決の時にかけるよう提案。与党側の予算案について「ベストだから出しているんでしょうけど、固執すると、非常にお互いデッドロックに、激突パターンにならないように」と懸念を示した。
一方の小泉氏は「それをやると、かつての民主党みたいに、みんなが好き放題言ってまとまらない結果になると思いますよ」と反論。「与党も、『どうぞ予算審議で自由なこと言ってください』って言ったら、そりゃあまとまらないですよ」と述べてこう続けた。
「だからやっぱり自民党は、どれだけ自民党の評判が悪かったとしても、自民党のいいところっていうのは決めたらまとまることなんですよ。たとえ不満があっても。なので、この予算の審議においても我々はいろんな議員が不満があるかもしれないけれども、与党の責任としてまとめたんですよ。だったら、まずはこれを自信をもって臨む」
自民党の強みは「まとまり」だと主張した小泉氏に対してSNSでは《自民党の予算でやってきた結果がこの有様》《選択的夫婦別姓でも同じことが言えるのか》などと異論が続々と寄せられていた。
「番組の終盤では選択的夫婦別姓の話題になり、長妻氏は小泉氏が昨年秋に総裁選に出馬した際、『党議拘束をかけずに採決に挑む』と訴えたことを指摘。自民党が党議拘束をかけなければ、選択的夫婦別姓の制度実現に向けて大きく前進すると語っていました。たしかに、選択的夫婦別姓をめぐっては、有力議員の高市早苗氏が強硬に反対するなど真っ二つに割れた状態。ここでも強いまとまりを示せるのか、注目されるところです」(メディア誌ライター)
いずれにしても開催中の「省庁別審査」で、予算の無駄があぶり出されることを期待したい。
(福島シゲル)