「行くのが怖い」大阪万博の無料招待が滋賀県の子供たちにも拒否された深刻

 来年4月13日の開幕まで半年を切っている大阪・関西万博。前売り券の販売状況は11月末段階で約727万枚で、目標の1400万枚のわずか半分と心許ない。そこで“オール大阪”で取り組もうと、大阪では府と市で行われているふるさと納税での万博前売りチケットの返礼品化を、それ以外の39市町村に広げる見通しだという。ただ、大阪は大阪市を除けば42市町村。つまり3つの市町村は歩調が合っていないのだという。

「その3市町村は、交野市と吹田市、能勢町で、そのうち能勢町は、町長選挙が重なって忙しいからという致し方ない理由からですが、吹田市は市の魅力発信や地域振興につながらないとういというもの。一方の交野市は今年5月、大阪府が万博に府内の子どもを無料招待する事業で、府内への参加希望を問うアンケートが強引だったことに、山本景市長が『まるで踏み絵のようなやり方だ』と反発したことで全国的に注目を浴びました。今回の見送りも当然と言えば当然でしょう」(在阪記者)

 その山本市長、Xで万博入場券のふるさと納税返礼品化に関する新聞記事を引用しつつ、見送りについて「(1)市に関係ない返礼品」、「(2)他の返礼品に悪影響を与える」、「(3)返礼品で地元にお金が落ちない」「(4)バス路線廃止の危機の最中」と、その理由を明確に挙げている。(4)は市独自のものだが他の3点は極めてごもっともで、そもそもふるさと納税の返礼品は在庫一掃セールではないのだ。

「そんな中、12月12日には、近隣の滋賀県で小・中・高校60校で無料招待を募ったものの、希望した学校が約15%だったことが明らかになりました。理由として『遠い』というのは大阪市内からでも夢洲は遠いので当然ですが、『混雑具合が分からず、下見もできないので怖い』というものまでありました。会場予定地からメタンガスが漏れて爆発事故まで起こったこと、交通渋滞がどれだけのものになるのか分からないこと、時期が猛暑と重なることなどからでしょうが、子供に恐怖すら与えているというのは驚きです」(同)

 相変わらず一体どうなるのか分からない、現時点ではトホホな状況の大阪万博なのである。

(猫間滋)

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