水道管老朽化でやむなし!各地で相次ぐ「水道料金大幅値上げ」に対抗策はあるか

 千葉県の熊谷俊人知事は11月21日、市川市・鎌ケ谷市・浦安市の全域に加え、千葉市や船橋市など8市の一部地域を対象に、26年度から水道料金を20%値上げする方針を示した。水道管の老朽化による改修費用の高騰などが理由だが、実は全国的にも水道設備の老朽化は問題となっており、現在の水道料金では維持することが難しくなっている。

 すでに神奈川県では10月から平均16%値上げされ、25年10月には19%、26年10月には22%と段階的に引き上げられる。他にも新潟市では来年1月から約29%、大阪府豊中市では来年2月から約30%、静岡県浜松市では来年秋から約20%と、水道料金の大幅値上げに踏み切る自治体が相次いでいるのだ。

 そうした中、注目を集めているのが各地の湧水スポット。そのほとんどが無料、ないし少額のため、週末にはポリタンク持参で汲みに訪れる人も少なくない。例えば、千葉県だと房総半島内陸部の久留里地区(君津市)は名水の里として有名で、県内で唯一「平成の名水百選」にも選ばれた。久留里駅前をはじめ、地域内には複数の水汲み場がある。

 また、神奈川県西部にも湧水所が多くあり、特に秦野市は、小田急線秦野駅近くの「弘法の名水」をはじめ、市内に数多くの水汲みスポットがある。東京都も西部の多摩地区に飲用可能な湧き水スポットが集中している。

 そして、関西も金剛山の麓に位置する「行者湧水直売所」(大阪府河内長野市)や「松か井の水・新松か井の水公園」(兵庫県多可町)など山間部を中心に数多く存在する。

 ただ、怖いのは発がん性が指摘されている有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」の存在だ。このところ、国の目標値を大幅に超えるPFASが全国各地の河川や地下水などから相次いで検出されているからだ。

 神奈川県秦野市では、一部の地下水で国が定めた目標値を上回るPFASが検出されたと報じられたが、市はホームページ上で「個人所有の飲用していない井戸の水質検査結果」と公表。飲用可能な湧水スポットは定期的に水質検査を行っているところが多く、過剰に警戒する必要はない。

 いずれにしても定期的に汲みに行けば水道代の節約になり、ミネラルウォーターも不要で家計は大助かり。今後引っ越しを計画している方は、近場に湧水スポットがあるかどうかも家探しの条件に入れてみるのもよさそうだ。

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