「なぜ大事な台湾戦直前なのか」田中将大、NPB関係者を激怒させた楽天退団発表“最悪のタイミング”

 楽天の田中将大投手が今季限りで退団することになり、早くもヤクルトが獲得に向け調査に動いているとも伝えられている。

 田中が11月24日、自身のYouTubeチャンネルで「このたび、私は楽天イーグルスと来季の契約を結ばずに新たなチームを探すことに決めました」と発表した後、楽天・石井一久シニアディレクター(SD)が担当記者に向けオンラインで経過説明を行った。

 両者の決裂の原因は「カネ」。石井SDは「減額制限を超える減俸提示をして、同意を得られなかった」ことを明かした。田中は2021年、2年契約で年俸9億円(金額は全て推定)というとんでもないオファーで楽天へ復帰したが、21年~23年シーズンにかけての3年間で勝利数はたった20。それでも今季は2.6億円プラス出来高の1年契約を結んだものの、24年シーズンは1軍登板がたった1度に終わっている。

「そんな田中と石井SDはすでに契約更改交渉を行っており、野球協約で定められた減額制限(1億円以上は40%)を超えた1億400万円以上の減額が確実視されていました。おそらく、提示額が1億円を切ったのではないでしょうか。また田中の後ろ盾だった小山伸一郎投手コーチが今季限りで退団(25年から中日投手コーチ)したことも大きかった」(楽天担当記者)

 成績は芳しくないものの、ビッグネームの退団だけに野球ファンの間には当然、衝撃が走ったわけだが、

「この日は野球日本代表のプレミア12の決勝戦の日(対台湾=東京ドーム)で、楽天から田中の自由契約が発表されたのが18時。その数分後に田中による発表のYouTube動画が更新され、まさに試合開始1時間前に球場内にそのニュースが流れた。観客は当然ながらザワつき、熱戦を前にして妙な雰囲気になっていましたね。しかもその決勝は全くいいところなく完敗しただけに『なぜプレミア12の、それも決勝戦の直前に発表したのか意味がわからない』と激怒するNPB(日本野球機構)関係者もかなりいましたよ」(夕刊紙記者)

 田中は「来季はどういう形になるか決まっていません」と神妙な表情でコメントしていたが、日本野球界にとっては大事な1日だっただけに、個人的な退団発表のタイミングとしては最悪だったようだ。

(小田龍司)

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