「反日」「コロナ」にやられた丸亀製麺、韓国再進出で“パクリ店”競合はどうなる

 11月19日、外食大手トリドールホールディングス(HD)は、21年に撤退していた韓国に「丸亀製麺」を再進出させることを表明した。前回の撤退時には居抜き店舗を再利用した“パクリ店”が登場したことが物議を醸していたが、再進出に影響はないのだろうか?

「トリドールHDの発表によると、今回の韓国再進出ではロッテグループの外食系列会社とフランチャイズ契約を結び、25年中にソウル市内に1号店をオープンする計画だといいます。現在、韓国では空前の日本食ブームが起きていることから、2、3年の間にフラッグシップ店舗、空港店舗、モール店舗、路面店舗など様々な形態の店舗を50店舗以上展開していくことを目標に、本格的な讃岐うどんの地位確率を目指すとしています」(社会部記者)

 丸亀製麺は12年にソウルに1号店を出店し、韓国国内に最大で12店舗を展開していた。しかし19年、反日感情の高まりから起きた日本製品不買運動の影響に加え、20年の新型コロナウイルス感染拡大による営業制限が追い打ちをかけ完全撤退。そしてその後、大きな話題となったのが、閉店した丸亀製麺の店舗をそのまま流用して営業をはじめたコピー店だ。名前は「自家製麺 丸」と変えていたが、商品やシステム、食器などもそのまま丸パクリで営業しており、韓国ではコピー店とは知らずに利用する客も少なくなかったのである。

「実はこのコピー店、『商内(あきない)製麺』に再度名前を変更していますが、現在も営業を続けています。メニューなど一部オリジナルになっていますが、基本的な調理法や営業形態などはほとんど丸パクリしたまま。となると、丸亀製麺の韓国再出店にも影響が出ることも懸念されます。ただし今回は、ロッテグループの外食系列会社とフランチャイズ契約を結び、加えて反日感情が薄れていることもあるので、コピー店が本家より支持されるという流れは起きにくい状況と言えます」(韓国事情に詳しいライター)

 丸亀製麺は今度こそ韓国でブームを巻き起こすことができるか。

(小林洋三)

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