「税リーグ」Jリーグ公式HPに書かれた言葉が浮き彫りにする「クラブ経営」の深刻ウラ事情

 Jリーグの公式Webサイトに「税リーグ」の文字が記載され、ファンをザワつかせている。10月2日にアップされた「クラブライセンス判定結果発表および説明会 発言録」の「質疑応答」の中の一文がそれだ。

 この中で質問者は、「多くのクラブでスタジアムの建設等々に関して、いわゆる公で設ける公設や、一定の税金を頼りにする状態が見られます」とした上で、「一部では税金の税で『税リーグ』と揶揄するコメントも見受けられる」と指摘したのだ。スポーツ記者が解説する。

「クラブライセンスとは、Jリーグに参加しようとするサッカークラブに対し、日本サッカー協会とJリーグが交付する文字通りのライセンスです。ライセンスの審査項目の中には、クラブの施設基準や財務基準、法務基準などが定められていますが、この質問者はその審査が不透明であるとし、『広く公開される可能性はあるのか』と疑問を呈したのです」

 この質問に対して大城亨太クラブライセンスマネージャーは、秋田の「ソユースタジアム」を例に取り、次のように答えている。

「税金をどうするかとか、スタジアム整備の主体がどこになるかという点についてまで踏み込んで確認したり、あるいは指示をしたりするものではありません。そこは地域においてそれぞれの事情で決めていただくものだと思います」

 ソユースタジアムを巡っては、J2の「ブラウブリッツ秋田」がJ1のクラブライセンスを4年連続で交付されたものの、施設基準の中の「スタジアムの観客席に十分な大きさの屋根があること」という条件がいまだにクリアできておらず、「特例措置」扱いになっている。

 SNS上では、地方自治体の施設や税金を頼りにしているとの見方から、これを揶揄するコメントや否定的意見が相次いでいるのだが、スタジアム建設等、反発が強い地域もある。「税リーグ」とは、クラブ経営の困難さを如実に表した言葉なのかもしれない。

(ケン高田)

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