日本サッカー協会(JFA)が8月29日、9月に開幕するW杯アジア最終予選(5日=中国戦=埼玉、11日=バーレーン戦=バーレーン)に向けた27人を発表した。
その中で、三笘薫(ブライトン)や伊東純也(スタッド・ランス)の復帰は確かに話題になったが、それ以上のサプライズと言えるのが、元日本代表主将・長谷部誠氏が森保ジャパンのコーチングスタッフとして入閣したことだ。
長谷部氏は今夏、22年に及ぶ現役生活から引退。所属していたドイツ1部リーグ・フランクフルトのU―21(21歳以下)代表のコーチに就任したばかり。
「長谷部とフランクフルトの契約は、事実上の“終身契約”のような内容。それだけに代表のコーチ就任には驚かされました」(サッカー担当記者)
森保一監督は長谷部氏のコーチ就任について「私がJFAにお願いした」と明言しているが、このコメントは額面通りには受け取れない。
「長谷部はW杯3大会連続で主将を務め、代表での出場試合数は81で日本代表歴代1位。そんな彼に最初にアタックしたのは、4月にJFA会長に就任した宮本(恒靖)と言われ、その際は宮本が自分の腹心としてJFA特任理事の席を用意していたといいます。結局、長谷部はこれを固辞しましたが、何とかしてパイプをつないでおきたい宮本会長が、欧州選手権の最中に長谷部との“極秘会談”をセッティングしているんです」(同)
宮本会長が長谷部氏にそこまでこだわる理由は、“ポスト森保”にある。
「JFAの場合、代表監督を最終的に決定するのは会長の専権事項でもあります。森保監督は26年W杯での勇退が既定路線。JFA内部でも長谷部のコーチ入閣は驚きだったようですが、宮本会長の長期政権に向けた地固めとも言えます」(夕刊紙記者)
いずれにせよ、長谷部氏にとっては大きな経験になりそうだ。
(小田龍司)