外国人街の誕生も!「高輪ゲートウェイ」駅の次に控える周辺開発構想の中身

 2020年春から開業する山手線の新駅名が「高輪ゲートウェイ」に決まり、カタカナの入った駅名の是非を巡る議論が多く見られた。だが、何しろ山手線の新駅開業は、1971年の西日暮里駅以来、49年ぶりとなる。その大きな変化の背景には、単なる「新駅の開業」だけではない大きな構想があるのだ。

「そもそも新駅の開業は、2014年にJR東日本が2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に合わせて新駅を開業する計画を発表したことに端を発します。そして16年に新駅の概要が発表されたのですが、この時、単なる新駅の開業にとどまらない、品川駅周辺の再開発プロジェクトである『グローバルゲートウェイ品川』の中核施設として位置づけられることになったのです」(経済ジャーナリスト)

 つまり、新駅開業の意味は、このグローバルゲートウェイ品川の中でこそ語られなければならないのというだ。

 ではこの構想の中身はどういったものか。JR東日本が公表したプロジェクト(第Ⅰ期)の概要によれば、品川駅と国道15号の間にはさまれた、車両基地跡約9.5ヘクタールの区域を4つの街区に分け、合計5棟の建築物が誕生する予定だ。オフィスや商業施設のほか、200室を備えた国際水準のホテル、国際会議を開くコンベンション施設などが建設される。

 中でも注目されるのが、外国人ビジネスマンをターゲットにした約860戸の住宅街が作られるということだ。

「つまり、『外国人街』が作られるというわけですが、この街区には24時間英語で対応するコンシェルジュが置かれ、インターナショナルスクールも整備される予定です」(前出・経済ジャーナリスト)

 さらに注目すべきは、開発地域の本格的な街開きは2024年に予定されていること。つまり、2020年でないということだ。その先には何があるのか。2027年の「リニア中央新幹線」が待っている。

「リニア中央新幹線は、品川と名古屋をつなぎ、東海道新幹線ののぞみで1時間30分以上かかっているところを最速40分で結んでしまいます。さらに、再開発エリアは羽田空港へのアクセスも良い地域です。つまり、品川駅は空と陸の両面から、国内のみならず世界をもつなぐ玄関口となりえるのです。その玄関口になる品川と高輪の両駅とその周辺を一体開発しようというのが、ざくっと言えばこの構想の中身です」(前出・経済ジャーナリスト)

 これはあくまでⅠ期工事の概要だ。4つの街区のほか、5、6の街区の開発はまだ公表されていない。また、品川駅周辺では続々と新たなホテルが開業あるいは開業予定だ。

(猫間滋)
 

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