大手ラーメンチェーンの「一蘭」が、一杯1180円の天然とんこつラーメンを提供する「銀座一蘭」を10月10日にオープンさせる。最近では1000円超えのメニューを提供するラーメン店が続々登場しているが、その背景にはどんな戦略があるのか。
「今年7月に人気ラーメン店の一風堂が、外資系ホテル『ザ・ペニンシュラ東京』とコラボして、税別、サービス料別3400円の『ザ・ペニンシュラ東京“マイラーメン”by 一風堂』の販売をおこなうなど、高価格帯のラーメンに挑戦しています。チェーン店以外でも『Japanese Soba Noodles 蔦』や『饗 くろ喜(店舗表記は「七」が3つ)』など1000円超えのラーメンを提供する店も少なくなく、高級ラーメンがにわかに活気づいているのです」(社会部記者)
ただし、基本的に高級ラーメンは日本人向けの商品ではないという捉え方もある。
「最近では豚コレラの影響で豚肉の価格が高騰しており、1000円以上で出さざるを得ないラーメン店もありますが、実際のところ1000円超えのラーメンはインバウンドの外国人観光客向けとなっている場合がほとんど。ラーメンはニューヨークを中心に世界中で大ブームを巻き起こしており、ニューヨークでは一杯2000円以上が当たり前。ちなみに、ブルックリンに出店している『一蘭』では一杯が約19ドル(約2050円)、ミッドタウンにある『一風堂』は一杯約16ドル(約1730円)。これにチップが上乗せされるわけですが、どちらも行列が絶えない人気店となっているのです」(フードライター)
そのため、日本にやってきた外国人観光客は、1000円以下のラーメンよりも、むしろ1000円以上のラーメンに信頼を置く傾向にあるわけだが、日本人としてはやはり少々腰が引けてしまう…。
(小林洋三)