8月2日の東京株式市場で、日経平均株価は一時、前日終値3万8126円33銭に比べ2000円以上下落した。3万7000円を下回るのは、取引時間中としては4月19日以来。1日のニューヨーク市場で、アメリカの景気後退への警戒感が広がり、ダウ平均株価が一時700ドルを超える下げとなった流れを受け、売り注文が広がった。
そんな中、「株価下落はまだ入り口」と語るのは、病気療養中の経済アナリスト・森永卓郎氏だ。森永氏はこれまで一貫して、現在の「日経平均株価はバブル相場である」と主張しており、「予言」が的中していると注目を集めている。
6月5日に出演したラジオ番組「垣花正あなたとハッピー!」(ニッポン放送)では、「新NISAで『オルカン』『S&P500』などを選んでアメリカにお金を流していると、これから3割ぐらいの円高がやってきますから、『株価下落』と『円高』というダブルパンチで、あっという間にあなたの老後資金は半額以下になりますよ」と分析していたのだ。
日経平均は7月11日に初めて4万2000円台をつけたが、その後右肩下がりを続けており、投資家の間に不安が広がっている。
マネー誌ライターが語る。
「そもそも森永氏は日経平均株価に対しては初めから悲観論者。現在の状況は、1989年のバブル崩壊前に日経平均が最高値を更新したときとソックリだとして警鐘を鳴らしています。もっとも、『下がる』と言い続けていれば、いずれ当たることもあるでしょう。すでに生前整理とガンの治療費確保のため、株主優待目的のものを除いてすべての株式や投資信託を処分していると語っていますので、森永氏自身は大きな痛手を受けずに済んでいるようです」
日経平均株価を巡っては、「大暴落の始まり」という声がある一方で「下落は一時的、長期的に見れば回復する」という指摘もあり、専門家の間でも様々な意見が交わされている。
7月下旬からの株価下落を受け、森永氏は「今回の株価下落による傷はまだ浅い。投資から手を引くチャンスは続いている」と述べている。果たして森永氏の予言は的中するのか。いずれにしても目先の動向にあたふたと狼狽しないことが大切だろう。
(ケン高田)