森永卓郎氏が断言「楽天の一人勝ちになる」ふるさと納税「ポイント禁止」がもたらす意外な副作用

 経済評論家の森永卓郎氏が、ふるさと納税仲介競争における楽天の「一人勝ち」を断言した。

 森永氏は7月3日、ラジオ番組「垣花正 あなたとハッピー!」(ニッポン放送)に出演。ふるさと納税にポイント付与する仲介サイトの利用を禁止するよう総務省が自治体に求めたことについて、仲介サイトを運営する楽天グループが反発し、反対の署名活動をスタートさせた。このニュースに対し森永氏は「これ茶番劇かもしれない」と切り出すと、「ライバルの『さとふる』や『ふるさとチョイス』が沈んでいって、楽天が一人勝ちになる」と予想したのだ。

 楽天を含む仲介サイトは、全国の自治体への寄付の事務作業などの手間を省くことができ、また寄付者も一覧でわかりやすく商品をチョイスできることから、近年大きな広がりを見せている。しかし自治体は、そのために寄付額の10%程度を手数料としてサイト事業者へ支払うケースが多く、総務省は「自治体の経費がかさんでいる」と問題視していた。

「総務省が掲げた新方針では、支払いに使用するカードへのポイントまでは規制していません。この点で楽天カードを持つ楽天は、独自のポイントで運用している『さとふる』や『ふるさとチョイス』などよりも有利。そのため仲介サイトのポイント付与が禁止されれば、楽天がおのずと一人勝ちになるというのが、森永氏の見立て。楽天は現在、自社のふるさと納税サイトで大々的に反対著名をブチ上げており、署名告知のバナーのビューは400万を超えているとのこと。森永氏に言わせれば、楽天が一番最初に怒りの声を上げたのは、勝ちを確信した上での世間へのアピールというわけです」(ITライター)

 三木谷浩史社長はわずか6人で楽天市場を創業すると、どぶ板の営業からM&Aなどを重ねて、わずか25年で巨大な「楽天経済圏」を作り上げた。総務省の新たな方針についても、したたかな戦略で乗り切る計算なのかもしれない。

 果たして森永氏の見立ては的中するか。ポイント付与が事実上禁止されるのは来年10月からだ。

(ケン高田)

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