7月3日、約20年ぶりに新しいデザインの紙幣が発行される。飲食店などでは新札に対応した券売機の導入が進んでいるが、改修だけでも20万円以上、新規購入には100~200万円ほどの費用がかかるため、キャッシュレス決済のみにする店も出てきている。
そうした中、山形県のとある人気ラーメン・つけ麺店で起きた「両替問題」が、SNS上で物議を醸している。
ことの発端は、ある客が店で両替を頼んだ際に「手数料」を請求されたことを不満に思い、その出来事をSNSに投稿したことから始まった。
その客は東京から出張でやって来たといい、1250円のつけ麺を注文しようとしたが券売機が1000円しか対応しておらず、店主に5000円の両替を願い出たという。すると店主は、客に「なんの説明もなしに」両替手数料の100円を引いた4900円と「ビックリマンシールの様なもの」を渡されたと憤慨している。
グーグルのクチコミ欄を見ると、店主は「自分の通帳から自分のお金を引き出すだけで手数料を取られる時代に両替手数料はおかしくないと思ってます」とコメントしている。両替手数料については入り口で貼り紙で伝えており、支払いは現金のみではなくキャッシュレスにも対応。しかも、手数料は町に寄付しているという。
ラーメンライターが語る。
「ラーメン屋などの小規模店舗では、普段から十分な小銭を用意することが難しい場合もあり、高額紙幣の両替は少なからず負担になります。客側も事前に小銭を用意するなどの配慮が必要といえるでしょう。もっとも今回のケースは、客にとっても初めて訪れた店でルールや雰囲気を知らず面食らったことも考えられます。ラーメン店という身近なシチュエーションで起きた出来事だけに、SNS上では議論が巻き起こっていますね」
新札の発行と同時にさらに進むと見られているキャッシュレス化。そんな中、かつては「店が両替するのは当たり前」が普通だったが、今後は客側も意識を変えていく必要があるのかもしれない。
(ケン高田)
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