2月28日、豚骨ラーメン専門店の「一蘭」が、”豚を一切使わない豚骨ラーメン店”を東京新宿にオープンさせ、話題を呼んでいる。
「一蘭」のラーメンは外国人にも人気だが、豚肉が食べられないイスラム教徒から「豚骨ラーメンを食べてみたい」という声が以前からあり、試行錯誤の末、味は変わらない“豚なしラーメン”を完成させたという。
「レシピは企業秘密だそうで、鶏が使われていること以外は明かされていません。実際に食べた人からは、《確かに一蘭のラーメンの味がする》《鶏の感じも確かにあるが、鶏白湯というよりは豚骨の味に近い》《スープは濃厚さがあって、かなり美味しい》などの意見が聞かれました」(グルメ雑誌編集者)
この「100%とんこつ不使用ラーメン」は1杯1180円(税込)と通常の豚骨ラーメンより300円ほど高いが、このご時世、イスラム教徒に受ければ大きな市場の開拓となる可能性もある。
「現在、イスラム教徒は世界に18億人いると言われており、イスラム教徒が食べてもOKの証である“ハラール認証”を受ければ、すでに世界に7店舗を展開する『一蘭』は、さらに世界進出を加速させることができる。また最近は、欧米を中心とした若者の間で、肉を食べる機会を極力減らすプチ菜食主義が流行しています。そうした人の中にはカロリーの低い鶏肉を食べる人(ポーヨ・ベジタリアンなど)もいるため、豚なし豚骨ラーメンが世界規模でヒットする可能性は十分にあります」(食文化研究家)
20年の歳月をかけて開発されたというこのラーメンは、無限大の可能性を秘めているかもしれない。
(小島洋三)