7月7の“七夕決戦”に向けて東京都知事選挙が盛り上がりを見せている。過去最多となる56人が立候補し、現職の小池百合子氏ら有力候補が都内各地で演説に勤しんでいる中、6月23日放送の日本テレビ系「真相報道 バンキシャ!」でコメンテーターが「白票」を呼び掛けて物議を醸している。
番組では小池氏、前参院議員の蓮舫氏、安芸高田市前市長の石丸伸二氏、元好空幕僚長の田母神俊雄氏の4人の公約を解説。MCの桝太一アナウンサーは、解説VTRに何度も「若い人」というワードが出てきたことに触れて「若い世代は今、今後の都政にどんなことを期待していると感じますか?」と質問を投げかけると、ファッションモデルで女優の長谷川ミラは、「20代前半ですと、社会に出たばかりで給与も低いですし、そこまで税金は取られていなかったりとか、学生だったりするので政治の実感が少ないっていうのがある」と述べて、20代後半になると、税金の額が上がることもあって徐々に“政治の実感”や政策への疑念が湧いてくると解説した。
桝アナが「投票率ってよく言われますけど、そもそも選挙に行く、行かないについてはどういう認識なんでしょうね」と問えば、長谷川は「あなたの一票で変わる」というフレーズが若者にある種の恐怖心を与えていると指摘してこう続けた。
「どのようにして誰に投票したらいいのかって教育を受けていないので…。確かにいきなり18歳になって『選挙に行ってください』って言われるのも酷かなって思うんです。なので、私自身、聞かれた場合は、SNSなどで比較が出ていますので、見れる方は見てもらって、どうしてもわからないという方は白票でもいいので実際に行って、若者の投票率、全体の率を上げるのもひとつの手ではないかなと思っています」
これにはSNSで《白票を勧めたらアカン!》《白票なんて無意味》《無投票と同じだよ》といったツッコミが続々と寄せられていた。
「白票を入れるというのは、投票率の底上げにつながりますし、『支持する候補がいない』という意思表示にもなります。また、19年の参院選では、ある俳優が白票での投票を呼びかけ、賛同する動きも見られました。実際、17年の衆院選では、白票も含めた無効票が150万以上あったと聞きます。確かに白票でも投票所に行くことで投票が習慣づけられますし、投票しないという“棄権行為”に比べればいくぶんマシかもしれませんが、アレルギー反応を示す視聴者は少なくなかったようです」(メディア誌ライター)
候補者の公約を吟味して、都民は自信をもって一票を投じてほしい。