中華料理チェーン「熱烈中華食堂 日高屋」が5月31日からメニューのおよそ7割にあたる80品目を10~60円値上げすると発表した。多くの飲食店が値上げを行い批判される中、同チェーンの値上げには肯定的に捉える声も少なくない。コロナ禍には客離れに悩まされた日高屋が再び支持を集めているワケは何なのか。
「同チェーンによると、原材料の高騰やエネルギーコスト上昇による各種コスト増加に対応し、全体で3%程度の値上げが実施されるとのこと。主な商品としては、『野菜たっぷりタンメン』が20円増の590円(税込み=以下同)に、『チャーハン』はごはんの量を増量して20円増の510円に、『餃子(6個)』は約4年半ぶりにリニューアルして薄皮から厚皮となり、20円の増の290円に値上げされます。ただ、1号店オープンから貫いている『中華そば』390円は、引き続きそのままの価格で提供されるとのことです」(フードライター)
日高屋が値上げを決めた要因には好調な業績があるだろう。コロナ禍では、主に駅前への出店でちょい飲み需要を取り込むという戦略が裏目に出てしまい、客離れが進んだことで売上高も大幅に減少してしまった。しかし、2024年2月期(23年3月~24年2月)には売上高が前年同期比27.8%増の487億円を記録。純利益に至っては同112.8%増の32億となっているのだ。店舗数はそれほど増えていないことから、客数の増加が好調な業績を支えているのは間違いない。
「日高屋がここまで支持されるようになった要因は、何と言っても圧倒的な価格の安さ。今回、日高屋は餃子を値上げしますが、それでも『餃子の王将』よりも30円近く安いですからね。野菜たっぷりタンメンと半チャーハンのセットでも880円、W餃子定食に唐揚げ2個のセットも810円。他のチェーン店であれば余裕で1000円を超える商品が1000円でお釣りがきますし、中華そば、餃子3個、生ビールも900円ですからね。むしろ、これくらいの値上げは全然してもらって、末永く営業を続けてほしいというファンも多いのではないでしょうか」(同)
値上げが実施された来月以降も日高屋は熱烈に支持されそうだ。
(小林洋三)