「悪性欧米文化を退治する!」北朝鮮がボカシを入れていた「英国人の下半身」映像

 北朝鮮国営の朝鮮中央テレビが、英BBCの園芸番組の中で「意外な部分」をぼかして放送したことが物議を醸している。外国の文化に対する検閲だという。

 問題となったBBCの番組は、3月25日に放送された「ガーデン・シークレット」。同番組は英国の園芸家、アラン・ティッチマーシュ氏が庭の手入れ方法を伝えるもの。ところが、ティッチマーシュ氏が膝を立てて座り、植物を手入れする場面で、なぜか同氏の下半身部分、穿いていた「ジーンズ」にぼかしが入ったのだ。

「BBCはデニムにぼかしが入った理由について、故・金正日総書記の時代から始まった『悪性欧米文化退治キャンペーン』の影響、と報じました。北朝鮮は1990年代からジーンズを『欧米帝国主義のシンボル』として禁じていて、最近では外国語が書かれたTシャツや、スキニーズボンも完全にNG。また長髪やヘアカラーも取り締まりの対象になります。これは自国民に限ったことではなく、ロシアからの観光客にも当てはまり、ツアー会社の注意事項にもデニムに関する記載があります」(ロシア情勢に詳しいジャーナリスト)

 ところで、なぜ北朝鮮で英国の園芸番組が放送されたのか。BBCによれば、北朝鮮の放送局は極秘にコンテンツを入手し、ロゴにボカシを入れた上で放送するのだという。

 どうやら庭いじりそのものは「悪性欧米文化」ではないようだ。とはいえ、わざわざデニムにボカシを入れてまで英国の番組を放送しなくても良いように思えるが…。

(ケン高田)

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