《22時半現在、まだサンシャインシティから出られないです》《6時間ほぼ飲まず食わずでトイレも行けず、閉じ込められたような感じだった…》
このようなポストがX上に殺到したのは1月12日のこと。この日は池袋・サンシャインシティで開催される「連載30周年記念 名探偵コナン展」の初日だったのだが、予想以上の人気に現場は大混乱となってしまった。
「コナン展」はタイトルの通り、週刊少年サンデーで連載されている人気漫画「名探偵コナン」の連載30周年を記念する企画展。東京での展示を皮切りに、福岡、札幌、仙台、大阪、広島、横浜、名古屋にも巡回を予定している。混雑が予想される東京での開催初週末と翌週末は、30分ごとの日時指定制入場券を販売するなど、対策をとっての開催となったが、それでも混乱は起きてしまった。
「コナン展を訪れた多くのファンが欲しがったのは、会場で販売されるオリジナルグッズです。作者書き下ろしイラストがあしらわれた限定グッズの数々や、同作ヒロインである毛利蘭の特徴的な髪型を再現したカチューシャなど、ファン必須のアイテムがラインナップ。グッズ情報が発表された昨年末には、Xのトレンドを大いに沸かせましたから、ファンだけでなく“転売ヤー”の関心も高かったはず。このグッズの人気ぶりが大混乱を招きました」(エンタメ誌ライター)
最も混乱が大きかった午後の入場客は、当日の様子をこう振り返った。
「ラストの展示会場を出てから、グッズ販売会場に入るまでに1時間程並びました。展示会場もかなり蒸し暑かったのですが、グッズ会場までの列は更に暑く、持参した飲み物はすぐになくなりました。入場制限のおかげか、販売会場はさほど混雑していなかったものの、その後のレジの行列が地獄のようでした。レジ最後尾は屋外で屋根もなく、蒸されるような暑さの会場から真冬の暗い寒空の下に出されるところからスタート。会計前の商品を入れるカゴも無いため、バラバラとグッズを落とさないように抱えている人が多く、スマホを見ることや飲み物を飲むことも難しい体勢の中で待機。私は3時間弱並んで会計を終えましたが、中には怒りのあまりにスタッフに商品を投げつけて帰った人や、体調不良でうずくまる人も見かけました」
入場から退場するまでには約6時間かかり、23時近くまで会場を出られなかったという客もいた。予想を上回る人気ぶりには運営側も“まさかここまでとは…”と思ったであろう。
(浜野ふみ)