ついに清和会支配は終焉するか。安倍派のパー券キックバックに端を発した裏金疑惑は、もはやリクルート、ロッキードに匹敵する巨額疑獄事件の様相を呈している。4人の閣僚、5人の副大臣をクビにしても事態は収束せず、宿敵安倍派を一掃しても岸田総理の地盤沈下は止まず。風雲急を告げる永田町に「ポスト岸田」の号砲が鳴り響く!
赤信号みんなで渡れば怖くない!
永田町ではいまだに80年代のギャグがまかり通っているようだ。
政治資金パーティーを巡る自民党議員の裏金問題が連日報じられる中、特に安倍派(清和政策研究会)は、松野博一前官房長官(61)ら幹部6人を含む数十人がキックバックを受けながら、政治資金報告書に記載していない疑惑が浮上。まさかの政権の舵取り役のスキャンダルに岸田政権は撃沈寸前なのだ。
12月14日、岸田文雄総理(66)は大ナタを振るい、安倍派の閣僚4人、副大臣5人、政務官1人を交代させた。ただ、その舞台裏では、辞表を提出した安倍派幹部で、疑惑の当事者でもある萩生田光一政調会長(60)との間でひと悶着あった。政治ジャーナリストの山村明義氏が解説する。
「岸田総理は当初、政権内にいる政務三役15人の安倍派議員を一掃し、根絶やしにすることを想定していました。しかし、萩生田氏が政務官まで交代させることに猛反発。政務官は主に当選1、2回の議員が就くのですが、『自分は若い人をかわいがっている』というのが萩生田氏の口癖で、キャリアに傷がつかないように抵抗したのです」
結局、自分のことは棚に上げ、カッコつけた萩生田氏に腰折れする形になった岸田総理だが、理由はそれだけではなかった。
「金額は違えど二階派(志帥会)や麻生派(志公会)など各派閥も裏金疑惑が報じられ、このままではエンドレスに問題が続いてしまう。自分の責任問題に発展する前に、安倍派を“リストラ”してかたをつけたのです」(山村氏)
今後、東京地検特捜部の捜査は本格化。時事通信の世論調査では、内閣支持率は17.1%を記録し、危険水域に突入している。
泥沼の様相を呈しても「岸田おろし」の動きは見られないが、水面下では「ポスト岸田」に向けて有力候補の駆け引きがスタートしていた。
本命は、各メディアで必ず名前が挙がる茂木敏充幹事長(68)だ。茂木派(平成研究会)54人を束ねる領袖ながら、党内での下馬評がすこぶる悪い“危ない本命馬”となっている。自民党関係者は声を潜めて打ち明ける。
「岸田総理がライバルとして警戒しているのが茂木さん。とにかく目立ちたがり屋で、岸田総理を差し置いて、学校給食の無償化や児童手当の所得制限撤廃を掲げて波紋を広げたこともあった。それに一番の難点は人望のなさ。パワハラがひどくて逆上したら何をするのかわからない。外相や経済再生担当相時代には、官僚にも被害者が多く、茂木対策マニュアルが作られるほど。派閥内に子分もいないし」
本命がいきなり棄権の危機だ。
(つづく)