大谷翔平「1000億円契約」の裏で密かに注目…広島「自由契約投手」がメジャーで大人気の理由

 日本時間の12月8日に最終日を迎えたメジャーリーグの球団幹部や代理人などが一堂に集まるウインターミーティング。このミーティングの終了直後に明らかにされたのが大谷翔平の新天地での契約だった。周知のように大谷はドジャースに移籍が決定。10年総額7億ドル(約1015億円)という大型契約だった。

 この超ド級の契約にファンや球界はもちろん、他のプロスポーツ界までが騒然となったのだが、実はこの大谷の契約の裏で、密かにMLB関係者に注目される「意外な投手」がいたという。

 広島から自由契約になったリリーバーのニック・ターリーである。

 ターリーの2023年の成績は7勝1敗、1セーブ、22ホールド、防御率1.74。勝ちゲームの継投の一角を担ってきた。本人は残りたいとの意思表示をしていたが、腰痛でチームを離れる期間もあったため、結局、退団となった。

「メジャーリーグでは左投手が少ないので、『リリーバーで、防御率が1点台』と聞いただけで飛びついてきます」(在米ライター)

 また、23年の広島での最終年俸は80万ドル(約1億1590万円)。メジャーリーグでは「お手頃価格」であり、来日前にも複数の球団を渡り歩いた経験から、「ターリー側は交渉に条件をつけていない」とのことで、それも人気の一因となっているようだ。

 もっとも、メジャーリーグの契約はスター選手から順番に決まっていくので、ターリーの場合は「内定」をもらって年越しの契約となりそうだが、こんな指摘も聞かれた。

「左のリリーフと言うと、日本のファンはやはり、楽天からMLBに挑戦する松井裕樹に関心があるのだと思います。左のリリーバーはどの球団もほしいところですが、松井はスターなので高額契約となります。予算の関係で松井と交渉できない球団がいきなりターリーとの接触を試みたようですね」(前出・在米ライター)

 また、「左の先発」ではDeNAからポスティングシステムでメジャーを目指す今永昇太も大型契約を結ぶことになりそうだ。こちらも複数の球団と交渉しているという。「松井、今永と交渉できないから」の図式は、ターリーにとって屈辱かもしれないが、日本球界を経験した投手が帰国後にブレイクするケースが増えてきている。

「ターリーは来日した当初は雑な投球もしていましたが、日本に来て2年が経ち、低めへのコントロールが良くなりました」(スポーツ紙記者)

 2024年シーンでは、新井貴浩監督が「クビにしなければ良かった」と地団太を踏むことになるかもしれない。

(飯山満/スポーツライター)

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