イングランドのニューカッスルに所属する日本代表FW武藤嘉紀が8月28日、カラバオ杯2回戦のレスター戦で遂に今季初ゴールを奪取。批判から一転して賞賛を集めている。
2019-2020シーズンの公式戦で初の先発出場を飾った武藤は、3バックを敷く守備的なチームの最前線に配置され、運動量溢れるチェイシングでチームを鼓舞。攻守にわたって献身的な働きを見せると、0-1で迎えた後半8分にはゴール前のこぼれ球が武藤の前に流れるこの日最大のチャンスが到来。これを右足で冷静にネットへ突き刺し、チームは1点のビハインドを取り戻すことに成功した。
その後、ニューカッスルは最終的にPK戦でレスターに敗れてしまったものの、初の先発出場でしっかりとゴールという結果を残した武藤には、地元紙「Chronicle」も“素晴らしい迅速なひと押し”とその同点弾を賞賛。決して難易度の高いゴールとは言えないながらも、終始敵陣へのプレスを続けていた武藤のアグレッシブな姿勢と嗅覚がもたらした得点場面だったと言えるだろう。
「8月17日に開催されたプレミアリーグ第2節のノリッジ戦後には、試合後のコメントがスティーブ・ブルース監督の戦術批判だと現地メディアに解釈され、結果を出さない武藤を咎める声も多く上がっていたので、この今季初ゴールは最高のタイミングだったと言えるでしょう。ヨーロッパではどれだけ監督と揉めようが、また私生活で少々のトラブルを起こそうが、ピッチ上で結果を出せば批判を帳消しにして喝采を浴びることができます。逆に言えば、ゴールを決めないFWは常に批判の対象にされるという側面もありますが、先の“戦術批判騒動”がありながらも監督からスタメン出場をさせてもらえたというのは意外でしたね」(スポーツライター)
もちろん武藤の今季初ゴールを喜ぶのは現地メディアだけではない。日本のファンもまた「一発で見事に(批判を)黙らせたのは見事でした」「今年こそブレイクを期待!」「現日本代表で唯一ギラギラしてるFW」「結果を出せば流れは変わる!頑張れ武藤!」などと英国で奮闘するサムライの朗報に反応。現状、森保一監督率いる日本代表にはトップレベルの実績を誇るストライカーが大迫勇也のみとなっており、武藤の成長は代表チームの戦力底上げには欠かせない要素でもある。
まずはニューカッスルでの地位を盤石なものとし、プレミアリーグでの2桁得点にも期待したいところだ。
(木村慎吾)