東京・明治神宮外苑再開発で物議を醸している大量の樹木伐採問題。長年守り続けてきた緑豊かな環境が損なわれることを危惧し、作家の村上春樹氏や故・坂本龍一さん、サザンオールスターズなどの著名人も反発。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関である国際NGOのイコモスは、再開発の中止を求める警告文書をHPに公開した。
「すると、再開発への風当たりが強くなったためか、東京都は9月12日、事業者側に樹木の保全に関する見直し案を提出したのです。これにより、当初9月以降とされていた743本の樹木伐採の時期は2024年以降に延期されることになりました」(社会部記者)
一度認可した伐採計画に〝待った〟をかけた小池百合子都知事。理由は24年7月に予定されている都知事選にあったと、10月19日発売の「週刊新潮」が報じた。記事によると、小池氏は3期目をかけた都知事選が終わるまでは〝樹木を伐採しないように〟と周囲に伝えているという。
坂本龍一さんが小池氏に神宮外苑再開発の見直しを求める手紙を送ったとき、小池氏は会見で「事業者の明治神宮にも手紙を送られたほうがいいんじゃないでしょうか」「(再開発の意義などが)坂本さんや都民の方に伝わるよう(職員に)情報発信を改めて指示した」などと述べ、再開発計画を決して曲げようとしなかったが、まさかの〝手のひら返し〟。これが3期目当選のためだとしたら、我欲以外の何ものでもない。
東京都の迷走ぶりについて16日付の「日刊ゲンダイDIGITAL」も報じている。日本テレビのバラエティ番組「ザ!鉄腕!DASH!!」が、東京都が進める「都立明治公園」の“森づくり”をサポートするという企画が進行中だというのだ。同番組は周知のとおりTOKIOら旧ジャニーズ事務所のタレントが多数出演している。当プロジェクトにも国分太一をはじめSexy Zone・松島聡やTravis Japan・松田元太らが参加するという。
「小池都知事は9月15日の会見で、故・ジャニー喜多川氏の性加害問題を『重大な人権侵害』と断罪し、都と所属タレントのアンバサダーなどの契約について『コンプライアンスの問題が解決するまで、新たな契約を行う考えはない』と表明しました。にもかかわらず、都立公園を整備する番組企画に旧ジャニーズ事務所タレントがこぞって出演するのは都民としても釈然としないでしょう。都には多くの苦情が寄せられているようです」(前出・記者)
風を読むに長けた小池氏が打つ次の一手は?
(石田英明)