小池百合子に惑わされるな!「太陽光発電」の闇(4)開発業者は高笑い…海外企業が日本に襲来

 観測史上最も暑い夏となった今年、線状降水帯など想定外の集中豪雨により列島各地が大規模な水害に見舞われた。あらためて、自然災害の恐ろしさを実感させられた年であった。シリーズ2回目は、山野を切り開き敷設された「メガソーラー」が招く人災を、実際に土砂崩れで罹災した現場住民の肉声を元に構成していく。

 東日本大震災を受け、菅直人政権下で成立した改正FIT法(再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が固定価格で買い取る制度)が2012年より施行された時、電気に関する知識など何もなかった私は、「良いなあ。地方は電気代がタダになるのか」と呑気に考えていた。

 友人が太陽光発電事業者に騙され、できもしない施設に数百万円も出資したとかで、相談に乗った時も悠長に「自然エネルギーを進める上では、中には不届き者が出ることも仕方がないだろう」と思っていた。

 当たり前の話だが、地方の山を削って並べられた大規模な太陽光発電所(メガソーラー)で生み出されたエネルギーの売り上げは、ごく少数の例外を除いて、少しも地元に還元されることはなかった。その利益はすべて東京や大阪など、多くは大都市に本社を置く太陽光発電事業者が総取り。中には本社が中国、タイ、アメリカ、カナダなどにある会社も珍しくなかった。

 1キロワット当たり40円の売電価格といえば、あまりに暴利だ。当時、先行して制度を始めていたイギリス、ドイツ、フランス、イタリアなどはすべて1キロワット当たり20円を切っていた。

 日本の売電価格は11.5円(2020年度上期時点)まで下がっている。だが、前述した諸外国はすべて8円程度。ドイツに至っては5.5円と、半値以下だ。日本はいまだに諸外国の倍の価格となっているのだ。

 どうだろう。これでは外国資本が日本に蝟集して、野山を荒らすのは当然の帰結と言えよう。中国系の上海電力、カナディアンソーラー、ジンコソーラー、タイ系のバンプー、韓国のハンファ、スペイン系のユニバージー‥‥。潤沢な資金を持つ海外企業が黒船となって日本に襲来したのだ。

 ある開発業者は「20億円造成にかかっても、10年で70〜80億円の売電収入がある。しかもその仕組みを国が保証してくれるんだから」と高笑いが止まらない様子で語った。何とも人を食った話ではないか。

 私がまだ産経新聞に在籍していた際、静岡県伊東市八幡野に建設予定の韓国・ハンファに係る太陽光発電所を見に行ったことがある。斜面の所々が崩落し、素人目にも危なっかしく見えた。

 実際、伊豆半島は火山灰土が多く、崩落が多い。同様の事象は「シラス台地」で有名な鹿児島県でも起きている。

 太陽光発電所は災害に弱い。経済産業省のまとめによると、西日本を中心に死者・行方不明者245人を出した2018年の「平成30年7月豪雨」の際、土砂崩れ11件、水没8件の被害が報告されている。

 静岡県下田市椎原。伊豆急行・稲梓(いなずさ)駅から西に約3キロ。のどかな農村風景が広がるこの地域にある小高い山の中腹に約2.9ヘクタールの中規模の太陽光発電所がある。この土砂が2015年9月6日、崩落した。伊豆半島を通過した台風によりもたらされた豪雨が、この集落を恐怖に陥れたのだ。

三枝玄太郎(ジャーナリスト)1991(平成3)年、産経新聞社入社。社会部などで警視庁担当、国税庁担当、東北総局次長などを歴任。 2019(令和元)年退社。以後はフリーライター。主な著書に「19歳の無念 須藤正和さんリンチ殺人事件」(角川書店)、「SDGsの不都合な真実」(共著/宝島社)など。文化人放送局で水曜日レギュラー、「Xファイル 未解決事件」に出演。YouTube「三枝玄太郎チャンネル」を配信中。

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