フリーアナウンサーの森本毅郎が司会を務める「噂の!東京マガジン」(TBS系)といえば1989年10月スタートの情報トーク番組。21年4月からBS−TBSに移行してからも、清水国明や山口良一、深沢邦之ら古株のメンバーが和気あいあいとしたトークで日曜の昼を盛り上げている。
そんな長寿番組のスタジオに不穏な空気が流れたのは9月17日の放送回。この日は外来生物問題をテーマに、東京を流れる荒川の取材VTRをオンエア。ブラックバスやアメリカザリガニなどの外来種が、従来の生態系に大きな影響を及ぼしているとして、現地では駆除活動が行われていることを伝えた。スタジオでも、外来種への対応についてトークを繰り広げていたのだが、清水国明は「この件に関しては言わないかん立場にあるんだけれども…」と前置きしてこう語った。
「ブラックバスの小魚をニジマスとか鯉とかも食べるわけじゃん。いきなりデカいヤツがいっぱいいるわけじゃないから。生態系の中で生まれて大きくなっていく間に、食べたり食べられたりするのが水の中の…」
そこで深沢邦之が「でも、もともとはいなかったものですから」と反論。清水は「もともといなかったけど、水産庁が日本の食料事情でニジマスであるとか、鯉とか、ワカサギとかを入れたわけじゃん」と主張。さらに、放流した鮎がブラックバスに食べられてしまう件に関しては、「鮎を持ってくるというのも、“国内外来種”だから。琵琶湖にいるヤツを移動しているわけだから。外から持ってきた。これも外来種。外来種が外来種に食べられてる」と、鮎も広い意味では外来種であると持論を展開。
外来種を「迷惑生物」とする番組の流れに逆らうかのように、清水は「ブラックバスってそんな悪い魚じゃなくて。獲ったら殺しなさいとかっていうような法律もいかがなものかなぁと…。生き物の命を殺せということを法律で子供たちに強制するという条例も…」と疑問を呈し、釣りを楽しむ権利を主張した。
「いつもはほのぼのとした雰囲気で番組が進行する中、この日は外来種をめぐって、ピリついた空気が流れていました。というのも、清水さんといえば琵琶湖の外来魚の再放流を禁止する条例に異を唱え、行政訴訟を起こしたことがあります。魚の命を奪う行為を強制すべきではないというのが清水さんの主張です。番組では釣り人がブラックバスを釣っているのに、なぜ減らないのかという質問に、清水さんは『そんなに釣れない』『トーナメントで3日間ゼロという時も…』と説明し、自虐的に『ヘタだからかもしれませんけど』とコメント。深沢さんがすかさず『ヘタだからでしょうね』とかぶせると、清水さんは『やかましいわ』とツッコミを入れて笑いが起きていました。『東京マガジン』のコメンテーター同士がここまで激論を交わすことは珍しく、SNSでも《清水さんにこの話題を振ったらあかん》《珍しくピリピリしてる》《あわや一触即発》といった感想が寄せられていました」(メディア誌ライター)
原因は外来種だけではないにせよ、在来種が減っていくのは寂しい気もするが…。