ドミノ・ピザに措置命令、「サービス料の廃止」はピザハットへの当てつけではなかった

 消費者庁は27日、宅配ピザチェーン大手「ドミノ・ピザ」がチラシに掲載した商品価格のほかに実際はサービス料がかかっていることが分かりにくいとして、景品表示法違反(有利誤認)の措置命令を行ったと発表した。同チェーンは今年4月にサービス料を廃止していたが、廃止せざるを得ない理由があったようだ。

「2022年10月3日から2023年4月23日までドミノ・ピザジャパンが配布したチラシに商品の持ち帰り価格と宅配価格が記載されていました。しかし、実際にはこの価格に299円を上限とした最大7%のサービス料を加算して販売されていて、そのことはチラシには小さく表記されているのみで、実際のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示だったことから、消費者庁は再発防止を求める措置命令を出しました」(社会部記者)

 ドミノ・ピザジャパンは公式サイトにお詫びを掲載し、誤解を与えるような表示を行ったことに対して多大な迷惑と心配をかけたことを謝罪した。なお、サービス料は23年4月24日をもって廃止されているが、当時は「商品の選択段階で支払金額がいくらになるのか分かりにくい」といった声を受けてのものと説明していた。サービス料は廃止されているが、それと同時に商品価格の改定を実施しており、以前の値段にサービス料を含めたものより値上げされている。

「ドミノ・ピザはライバルの『ピザハット』が1回250円の配達料を導入した直後にサービス料の廃止を実施していたので、一部ではピザハットへの当てつけではないかといった声もありましたが、実際には景品表示法違反が原因だったようです。サービス料や配達料などの導入は商品価格を値上げしていないように見せかけるため戦略でもあるので、今回ドミノ・ピザに措置命令が下されたことで、ピザ業界のみならず他の宅配チェーンにも少なからず影響を及ぼすかもしれません」(経済ジャーナリスト)

 なお「ドミノ・ピザ」は、「お客様からのご意見を受けて、1月よりサービス料廃止の検討を始めていたものです」と、サービス料廃止と景品表示法違反の関連性を否定している。宅配各社にはひと目で分かりやすい価格表示にしてもらいたいところだ。

(小林洋三)

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