「岸田ひとりぼっち政権」悲しき相関図(2)頼りない総理をボス麻生が担ぐ

 むろん、悲願の選挙区・広島でのG7サミット開催を迎える岸田総理も打たれっぱなしではいられない。

「党内孤立を深めた総理は、休日は官邸で木原誠二官房副長官(52)や長男・翔太郎秘書官(32)とべったり。それ以外に総理が頼みの綱とするのが、選対委員長に任命した森山裕氏(77)です。総理は先月の欧米外遊前の慌ただしい日程を割き、わざわざ新年早々に会食しています」(官邸キャップ)

 安倍・菅政権で国対委員長を務めた森山氏は、老獪な交渉術と野党とのパイプも持つ調整役として、歴代最長のキャリアを持つ重鎮的存在。

「菅政権の中枢メンバーだった森山氏は今でも菅氏、二階俊博元幹事長(83)と定期的に食事している陰の実力者です。森山派は総勢7人と所帯は手狭だが、いずれは二階派と合流し、さらには菅グループを巻き込めば一大派閥になる可能性がある。つまり、森山氏が党内のキャスティングボートを握っている。岸田総理は、その調整能力に全幅の信頼を置き、三顧の礼で党要職を頼み込んでいるわけです」(政治部デスク)

 さらに、岸田総理を支えるもう1人が麻生太郎副総裁(82)だが、地元講演会で「あまり頼りがないと言われるが安倍総理も夢にまで見た数字(防衛費GDP比2%)を実現した」と、ことさらに持ち上げている。

「麻生さんはなにしろ義理人情の人です。2月5日の北九州市長選では、保守分裂で自民党公認を得ない武内和久氏(51)が当選しました。実は、4年前の福岡県知事選に担ぎ出したのが麻生さんだったんです。そのため、今回も党が推薦する候補の推薦を許さなかった。党議拘束よりも義理を通す麻生ボスだけに、岸田総理を最後まで担ぐはず」(政治部デスク)

 そして「防衛費増」「少子化対策」「コロナ5類」と難題山積の岸田政権に降って湧いたのが、身内秘書官の「隣に住んでいるのも嫌だ」というLGBTQ差別発言だった。

「そもそもは総理の『社会が変わってしまう』という国会での答弁を秘書官が補足する中での発言だった。『秘書官室もみんな反対だ』という発言こそ岸田政権の本音なんです。すぐにLGBTQ法案の検討を茂木幹事長に指示したが、保守系議員からの反発は強く党内を調整するのは難しい。得意の〝検討〟ポーズの馬脚を現すと、今度こそ総理の求心力が失墜するのは間違いない」(官邸キャップ)

 一歩踏み外せば崖下へ滑落、岸田政権の危険な尾根伝い行脚はいつまでもつのか。

*週刊アサヒ芸能2月23日号掲載

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