香川真司、セレッソ大阪復帰で「もう終わった選手」の批判を覆せるか

 今年で30周年を迎えるJリーグは2月17日、王者奪還を目指す川崎フロンターレがホームに昨季の王者・横浜F・マリノスを迎えるというビックマッチで開幕する。

 各チームとも、開幕に向けて最後の仕上げに入っているところだろう。だが、昨年末のカタールW杯に比べ盛り上がってはいない。その理由は、この冬のストーブリーグで大きな動きがなかったこと。例年なら、大型補強で話題を振りまいてくれた神戸の動きがおとなしく、浦和の補強もパッとしない。連覇を目指す横浜FMも、黄金時代を目指す川崎も、大きな補強はなかった。全体的におとなしいオフとなった。

 そんな中、注目は堅実な補強をしたセレッソ大阪だ。

 一昨年の8月に指揮官に就任した小菊昭雄監督にとって、今季が実質2年目のシーズン。昨季はメンバーが大幅に入れ替わった中、最終的にリーグ5位まで勝ち上がり、ルヴァン杯では準優勝した。

 その主力となった選手がほとんど残留し、さらにJリーグ2年連続2桁ゴールを決めているレオ・セアラを横浜FMから獲得。また、福岡からは対戦相手に「悪魔」と言われる“魔法の左足”を持つジョルディ・クルークスを獲得。実績のある2人の外国人選手を補強し、攻撃に破壊力が増した。

 そして、ここにきてベルギーリーグのシント=トロイデンから元日本代表の香川真司を獲得した。

 香川獲得には批判的な声もある。「もう終わった選手で使えない」「無理に使えばチーム内のバランスが崩れる」。しかし、本当にそうだろうか? 確かに全盛期のプレーを期待するのは酷というものだが、小菊監督は香川の中学時代からのプレーを見ている。香川のプレーの特徴はもちろんのこと、性格も知り尽くしている。

 また、全盛期のように一瞬のスピードで相手を抜いてゴールを決める、そういうプレースタイルから変化している。ベルギーでのポジションはインサイドセンターで、いつもより少し下がった位置で、たくさんボールを触りゲームメーカー的な展開力を身につけていた。

 もちろん、キャンプからチームに合流していないだけに、すぐに先発とはいかない。それでもC大阪は香川獲得に動いた過去があり、常に彼の動向はチェックしていたはず。

 即戦力の外国人選手、そして香川と補強したC大阪。小菊監督がどんな采配を見せるか。開幕から注目したい。

(渡辺達也)
1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップアジア予選、アジアカップなど数多くの大会を取材してきた。

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