鈴木エイトが激白!「安倍元総理銃撃当日に衝撃情報が…」(2)ビデオ出演が分岐点となった

─安倍元総理は、どこまで教団と関与があった?

 ハッキリしているのは、13年の参院選で安倍総理が教団に後援、つまり組織票の依頼を直々に行ったとする教団の内部文書があります。ただ、安倍さん自身は自分の選挙に教団を使っていたわけではありません。しかし、その後、16年の参院選でも清和会準会員だった候補者に、教団票の差配をしたり、教団関係者を首相官邸に招待したり、細かい動きはたくさんあった。また、内閣改造が進むたびに統一教会と関係のある政治家をどんどん閣僚などに抜擢していった。挙句の果てに21年には「天宙平和連合(UPF)」にビデオメッセージを送るまでになった。これが最終的に分岐点になったと言えます。

─この動画は山上徹也容疑者(42)も見ていた。

 山上容疑者のTwitterを見ると僕のツイートを見たり、リツイートしたりしている。当然ここまでの教団と安倍さんの関係を把握していたはずです。ですので、あのビデオメッセージが直接の犯行の引き金になったのだと思います。

─その意味では、山上容疑者がタブーを明かすことになった、と。

 確かに、この事件で教団と政治家の関係が可視化されたのは事実です。ただ、それをもって彼を英雄視する人が出てくることは危険だと思います。私はこの問題にずっと取り組んできたが、大手メディアでは取り上げられず、ネット記事になっても話題にはならなかった。つまり、当時は知っていてもそこまで重要な問題だという認識にならなかったわけです。ところが、今やこんな大事件を起こすほどの問題だったのかと、世間の認識がガラッと変わった。

─山上容疑者は最初からそこを狙っていた?

 当初狙っていた韓鶴子総裁(79)から標的を変えた経緯、あるいは事件後の社会状況をどこまで描いてこの事件を起こしたのか、など本人の弁が出てきていないので今の段階では判断できません。ただ、今回の事件は劇場型だと見ています。彼は「ジョーカー」など映画の影響をかなり受け、その主人公と自分を重ね合わせていたフシがある。その劇場型の中の1人の登場人物として私も組み込まれている可能性もあるんです。

─山上容疑者は、1月10日まで、異例の5カ月超という長期の鑑定留置で精神鑑定が続いています。

 当初11月末までだったのが延長されましたが、そもそも、これほど長く接見も許されず、身体拘束されることはおかしい。これにはなるべく表に出てしゃべるのを遅らせたい、証言内容から関係がクローズアップされることを危惧する人物が一定数いるからだと勘ぐられても仕方がないことです。反対に、容疑者の証言を、そのまま受けいれていいのかという問題もある。今後、彼をどう捉えるか、公判での言動など慎重に見ていく必要があります。

鈴木エイト:滋賀県生まれ。日本大学卒。ニュースサイト「やや日刊カルト新聞」副代表、主筆を歴任。主にカルト宗教、カルト2世などのテーマで執筆。今年9月に刊行した『自民党の統一教会汚染追跡3000日』(小学館)は8万部を超えるベストセラーに

*週刊アサヒ芸能12月29日号掲載

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