世界一の資産家ランキングに変化があった。今年4月に「テスラ」のイーロン・マスクが資産約27兆円で初のトップになって首位を維持していたが、「ツイッター」のCEOになったことで、首位をルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー(LVMH)のベルナール・アルノーに譲ったのだ。
ブルームバーグが出している数字によれば、12月15日時点でアルノーの資産が1720億ドル(約22兆3600億円)で、マスクは1610億ドル(約20兆9300億円)だ。3位にインド財閥の富豪が続き、4位にビルゲイツの1160億ドル(約15兆800億円)、5位にジェフ・ベゾスの1150億ドル(約14兆9500億円)が続く。
「マスクはツイッター社の買収資金にテスラ株を大量に売らざるを得なかったために資産を減らしました。年初から400億ドル近くの株式を売却し、よって同社の株価は今年に半値も下げています。加えてマスクはツイッター社の再建で多忙な上、中国での減産によるテキサス州の最新工場の不調と良いことがなく、株主から怒りの声が上がっています。一方、アルノーのLVMHはアメリカとヨーロッパの販売が好調で資産額を伸ばしました」(経済ジャーナリスト)
そんな首位の入れ替わりがある一方、下位だが最近話題の中国企業の経営者がランキングに登場して急浮上しているという。
「先月原宿への出店で話題になったSHEINです。同社はCEOの許仰天(クリス・シュー)ら4人が立ち上げた会社です。許氏以外の3人は表に登場することはありませんが、ブルームバーグが試算して報じているところでは、4人で合わせて400億(約5兆2000億円)ドル近い資産になるということです」(同)
これをランキングで見れば40位に相当する。マスクは当面ツイッターにかかりきりでしばらくは浮上は無さそうな気配だが、安さの裏で労働問題に問題ありとされるSHEINの今後も注目される。
(猫間滋)