すでに越年モードの岸田内閣だが火ダネは燻ったままだ。政治ジャーナリストが打ち明ける。
「大臣交代は3人までで踏みとどまったが、選挙戦での〝影武者〟疑惑の秋葉賢也復興相(60)を、これ以上閣内に置いておくわけにはいかない。閉会後にひっそり交代することも考えられる。本来なら総理の右腕となる松野博一官房長官(60)が汚れ役を引き受ければいいのだが、所属する清和会は安倍元総理の死後、空中分解寸前で、それどころではない。孤立無援の岸田政権には、今こそ安倍政権の最強の盾となった菅義偉官房長官(74)の待望論が浮上しているのです」
昨年の総裁選では、いち早く総裁選に出馬し、菅氏を総理の座から引きずり降ろしたものの、今年9月27日の国葬では友人代表として「焼き鳥屋で3時間」など感動的な弔辞で出し抜かれた格好となったが、
「副総理、官房長官からカーボンゼロを推進するCO2削減相などあらゆる肩書を用意し三顧の礼で迎えようとしたが、菅氏が岸田総理とタッグを組む気はゼロ。むしろこの政権はすでに短命だと周囲に言い出している。その見立てでは来年1月からの通常国会で予算を通し、ズタボロになった岸田政権は4月までで終わりという算段をつけている」(政治ジャーナリスト)
菅氏が、いよいよ子飼いにする河野太郎デジタル相(59)を担ぐとなれば岸田政権の最後の砦・麻生太郎副総理(82)にとっても見切り時になるかもしれない。
閣僚ばかりか、自身の足元にも火は及んでいる。
「一部報道で、岸田総理は昨年の衆院選で宛名なしの白紙の領収証94枚を選挙費用として提出したことが公職選挙法違反として報じられている。実際、選挙費用はいいかげんなもので、当日誰が寄附金を持ってきたなどカネの使い道はゴチャゴチャになる。とはいえ、今どき一般企業では白紙の領収証など通用するわけがない。来年の国会で、この『白紙の領収証問題』が再燃するのは必至です」(官邸キャップ)
この疑惑が噴出した際、岸田総理はまさかの大失態を重ねてしまったという。
「周囲が大事ではないと吹聴していたこともあり、官邸前のぶら下がり記者を『確認中です』と歩きながら軽くあしらう予定だった。ところが、普段は聞く力を持つ総理だけに、番記者に話しかけられると必ず足を止めるクセがあった。そのため、普段とは違うぎこちない歩き方で、記者たちから『逃げ足練習をしてきた』と見抜かれてしまったんです」(政治部デスク)
よもや、総理の味方の番記者にまで見捨てられるとは。
「総理番の若手記者は社に戻り、不誠実な対応に怒っていた。すでに、大手新聞各社はこぞってこの問題の調査に乗り出しているが、来年の国会までにどう修正するかが見ものです」(政治部デスク)
白紙撤回どころか、火に油を注ぐ疑惑へと燃え広がりそうなのだ。