8月12日、外食大手のすかいらーくホールディングス(HD)は、ファミリーレストラン「ガスト」や「ステーキガスト」などの不採算店およそ100店舗を閉店すると発表した。同社は2020〜21年にも約200店舗を閉店しており、《ファミレスはもうオワコンか》との指摘も出ている。
同日発表された2022年12月期上半期決算によると、新型コロナウイルス感染症による影響の長期化などで純損益は27億8000万円の赤字で、当初は40億円の黒字を見込んでいた連結業績予想も20億円の赤字に大幅下方修正。この状況を受け、全社の収益構造改革を推進するため、ロードサイドの不採算店を中心に約100店舗の閉店を決めたという。
コロナの影響で、すかいらーくグループのほかにも、「サイゼリヤ」や「ジョイフル」「ロイヤルホスト」なども店舗を減らしており、ネット上では《値上げもあってなかなかファミレスも家族で利用しにくくなってきた》《ちょっと前までコロナ禍はロードサイド店が有利って言われたけど、それを閉めるのか》《ファミレスはすごく中途半端な業態になってしまった》などといった声が出ている。
「対面する座席やドリンクバー、サラダバーなどがあることからファミレスは“コロナ禍に行かない方がいい場所”としてメディアなどに取り上げられた影響もあり、大きな打撃を受けました。さらに、人件費や原材料費、エネルギー価格などの高騰を受け、経営環境は厳しさを増しています。当面は店舗閉鎖と値上げをせざるを得ないでしょうが、今後は新たな魅力の創出や明確な改革の指針を打ち出さないかぎり、この混迷期を抜け出すのは容易ではないでしょう」(経済ジャーナリスト)
復活はあるのか。
(小林洋三)