7月19日、都内ホテルでパチンコ・パチスロの業界関係者を対象とした「スマート遊技機フォーラム」が行われ、今後は「スマートパチンコ(スマパチ)」「スマートパチスロ(スマスロ)」に本腰を入れていくことが確認された。
「スマート遊技機は2018年から開発が進められている、パチンコ玉やメダルに直接触れることなく遊戯できる機種。スマスロは今年の秋から、スマパチは来春から導入が予定されています。玉やメダルに触れないので、新型コロナウイルスの感染対策になるのはもちろんのこと、初期投資が少なく、人件費などのコスト削減や省エネ、不正防止、騒音がなくなるなどのメリットがあるといいます」(パチンコライター)
パチンコ業界は深刻な客離れが起き、日本生産性本部が発行する「レジャー白書2021」によると、全国パチンコホールの20年の売上高は14兆6000億円で、05年の35兆円から50%以上も減少している。それだけに、日本電動式遊技機工業協同組合の兼次民喜理事長も「スマート遊技機の普及は市場縮小傾向に歯止めをかけてくれると信じている」と期待を込める。
しかし、ネット上ではスマート遊技機に対し《スマートにして客が戻るかな?昨今のパチンコ離れは儲からないのが原因でしょ》《そこじゃない。スマホゲームなどいまや娯楽に溢れた世の中、パチンコにハマってるのは昔からの世代だけ》《スマパチやスマスロの客側のメリットって感染対策くらいじゃないか。それでパチンコ屋に行こうとは思う人は少ないんじゃないか》など厳しい声も少なくない。
「パチンコ・スロットに客離れが進むのは、ギャンブル依存症対策として行われている出玉規制の強化で稼ぐのが難しくなったことや、スマホゲームなど新たな娯楽が登場したことによる競争の激化、喫煙・騒音・利用者のマナーなどイメージの悪化などが主な原因と言われています。スマート遊技機が導入されてもそれらが改善させるわけではないため、むしろ昔からのパチンコ、パチスロファンが離れてしまう可能性も孕んでいます」(前出・パチンコライター)
果たして、スマート遊技機の登場で業界はどう変化していくのだろうか。
(小林洋三)