6月18日、回転寿司業界1位の「スシロー」と業界5位の「元気寿司」が、約1年半に渡り続けてきた経営統合に向けた協議を中止すると発表した。統合が実現すれば、「くら寿司」や「はま寿司」を圧倒する世界シェアナンバー1の回転寿司チェーンが誕生すると話題になっていたが、結局は白紙となった。
「回転にこだわるスシローと回らない寿司に注力している元気寿司、直営店を増やしたいスシローと国内外でフランチャイズをメインとする元気寿司など、互いの戦略の違いが明確になったことが、経営統合を中止した原因だと考えられています」(経済評論家)
ただ、これにネット上では《スシローよりも元気寿司やグループの魚べいの方が断然好きだから、統合が白紙になって嬉しい》《元気寿司はフランチャイズが多いから店舗ごとの差が大きいけど、当たりを見つけたときの喜びがデカいからスシローに飲み込まれなくてよかった》など、元気寿司が経営統合により“スシロー化”しないで済んだことを喜ぶ声が多く見られた。
「マルハニチロの『回転寿司に関する消費実態調査2019』によれば、以前と比べて値段の安さよりもネタの新鮮さにこだわる客が増えており、そうした流れの中で、元気寿司はいま、かなりの支持を得ていると思えます。また、最近の回転寿司チェーンのファミレス化が著しいなか、元気寿司の場合はサイドメニューはほどほどに寿司メニューを充実させていることも、回転寿司好きたちから好感を得られていると思われます」(飲食店コンサルタント)
別々の道を歩むことを選んだスシローと元気寿司。後々、この経営統合破談は、回転寿司業界にどのような影響を与えるのか。
(小林洋三)