再燃する「ランドセル重すぎ問題」原因は“思い込み”にあり!?

 ランドセルを背負うことで起こる健康被害「ランドセル症候群」を改善するため、栃木県の小学生が中心となって開発された「さんぽセル」発売のニュースに大人たちから批判が殺到。これにより、改めて“ランドセル重すぎ問題”に注目が集まっている。

「『さんぽセル』はすべてのランドセルに取り付け可能なキャスター付きキャリーで、ランドセルに取り付けることで運搬に必要な力を85%〜95%軽減してくれるアイデア商品です。今年4月に発売されると約3000台の注文が殺到するなど話題となりましたが、その一方でニュースサイトのコメント欄に《子どもたちの筋力が低下する》《坂道で手を離したら大惨事になる》《ランドセルは背中をガードする目的もあるのに》といった否定的な意見が寄せられたことで物議を醸しているんです」(ネットライター)

 ランドセルは軽量化が進む現在でも単体で1kg以上の重さがあるものがほとんどで、さらに教科書のページ増に加え教科数も増えたことでさらに増量。加えてGIGAスクール構想により生徒にはタブレットが配布されたことや、コロナ禍で水筒の持参を求める学校も少なくないことから、中身を含めると毎日5kg以上のランドセルを背負って登校する小学生も珍しくないという。

「今回『さんぽセル』が話題となったことでランドセルの重さに対して理解のない大人たちが多いことが明らかになったことで、《しっかりと見直していかなければいけない》といった声も増えていて、《そもそもなんで小学校はランドセルじゃなきゃダメなの?》といった意見も見られました。実は小学校でランドセルを使用しなければならないという義務はないのですが、例えば水泳用品メーカーの『フットマーク株式会社』が実施したアンケート調査によれば、小学校入学前にランドセルを検討した人は91.4%と、小学校=ランドセルという意識がいまだ根付いているようです」(教育雑誌ライター)

 同調査によれば、ランドセルを購入した人の理由は「ランドセルしか選択肢になかった」が44.7%、「ランドセルが小学校の指定カバンだと思ったから」が42.5%と曖昧。これからは学校側も含め、他の選択肢があることも積極的に伝えていく必要があるだろう。 

(小林洋三)

ライフ