地球の生命のもとは、宇宙から来た——!?
日本の小惑星探査機「はやぶさ2」が採取した小惑星「リュウグウ」の砂から、20種類以上のアミノ酸が検出されたことがわかった。アミノ酸は、生命体を形成するために欠かせない有機物で、これまで地球に落下した隕石から検出されたことはあるものの、地球外で採取されたものから見つかるのは初めてのこと。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)が2014年12月に打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ2」は、長い宇宙の旅を経て、18年6月に小惑星「リュウグウ」の上空に到着。投下させた探査ローバーが採取した「リュウグウ」のサンプルは、帰還カプセルに入れられ20年12月に地球に戻ってきた。以来、国内外の専門家からなる分析チームが慎重に分析を行っていた。
生命の源とも言えるアミノ酸は地球上でも生成されるが、原始地球の環境の変化で消失したという説もある。つまり、地球に生命を誕生させたアミノ酸は、隕石や小惑星によって宇宙からもたらされたのではないか、という見方もあって、「地球生成説」と「地球外飛来説」が議論されていた。今回の発見は、「地球外飛来説」を補強する材料だといえる。
もし、地球の生命のもとが宇宙から来たのだとすれば、がぜん高まるのが地球外生命体存在の可能性だ。地球の環境に似た惑星は、地球のある天の川銀河だけでも数100億個あるとも言われている。アミノ酸が小惑星などによってあちらこちらに運ばれているとすれば、生命が誕生している惑星があっても、また、人類と同じような知的生命体に進化していても不思議ではないのだ。
ちなみに、「はやぶさ2」は次なる目的地に向けて宇宙を飛行中。もしかしたら、今度は地球外生命体存在の決定的な証拠を見つけるかもしれない。
(加賀新一郎)