W杯予選敗退の危機!森保JAPANに「5つの壁」(2)「田嶋OUT」の横断幕が!

【2】くすぶる森保解任論

 オーストラリア戦から一夜明け、日本サッカー協会の田嶋幸三会長(63)がオンライン会見で森保監督の進退問題について、

「しっかりと勝っている時にそういうことを考えるタイミングではない」

 と言及し、解任論の火消しに走った。が、11月のベトナム、オマーンとのアウェー2連戦を取りこぼせば、状況は一変しそうだ。

「田嶋会長がわざわざ発言するのは、それだけ危機感があるという裏返し。解任論がなくなったわけではなく、今の状況は97年の最終予選と似ていて、1試合1試合で順位が変わる。当時、サッカー協会の長沼健会長(故人)は『加茂周監督(81)でフランスW杯に行けなければ私が責任を取ります』と明言していましたが、結局、予選中に加茂監督を更迭。岡田武史コーチ(65)を昇格させ、窮地を乗り越えました」(元「サッカーダイジェスト」編集長・六川亨氏)

 首筋が寒いのは森保監督だけではない。オーストラリア戦の試合会場に「田嶋OUT」と書かれた横断幕が掲げられ、サポーターの批判の矛先は森保続投に固執する田嶋会長にも向けられていた。

【3】「代打監督」いない問題

 10月9日付の日刊スポーツの1面で「長谷川健太氏 後任浮上」と大きく報道され、サッカー関係者の間で騒然となった。

「森保監督の解任と後任監督の検討に入っている」とも報じられたが、オーストラリア戦の勝利で一旦は収束。とはいえ、先にも触れたように、11月の「Xデー」で更迭劇が起きても不思議ではない。そうなると長谷川新体制の誕生となるのか。六川氏はこう説明する。

「現時点で、長谷川健太監督(56)はJ1のFC東京の監督なので難しい。過去に所属クラブの監督を代表監督に就任させ、チームがガタガタになったことがあり、Jリーグの監督はシーズン中に引き抜かないという暗黙の了解があります。外国人監督にしても、ヨーロッパのクラブはシーズンの真っただ中なので、フリーの監督を見つけるのはハードルの高い仕事になる」

 仮に国内外で優秀な監督を口説ければ、劇的にチームを立て直すことができるのか。スポーツライター・竹田聡一郎氏はこう話す。

「菅義偉前総理(72)が総裁選への不出馬を電撃表明後、明確な『ポスト菅』の候補者がいなかった自民党と同じように、日本サッカー協会は崖っぷちの状況を想定していなかったのか、バックアッププランを用意していなかった。報道で後任候補に名前が挙がった長谷川監督や、北京五輪で指揮をとった反町康治技術委員長(57)がカンフル剤になれるかと言われれば疑問も残る。どうせなら元日本代表主将の宮本恒靖氏(44)など、若い監督を起用する大胆な策で局面を変えるのもアリだと思います」

 11月の試合後に監督交代となれば、残りは4試合。もはや他力本願、神頼みになりそうだ。

*「週刊アサヒ芸能」10月28日号より。(3)につづく

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