先日、ハリウッド映画『聖闘士星矢』(公開時期未定)の主演への大抜擢が発表された故・千葉真一の息子で俳優の新田真剣佑。本格的な海外進出を目指し、この春に渡米してから半年、大きなチャンスを掴むことに成功したが、24歳の若手日本人俳優が主演を務めるのはハリウッドでも異例中の異例だ。
ただし、ハリウッド映画で主演を務めた日本人は他にもいる。古くは21歳のときに単身渡米し、『タイフーン』(14年)など1910~20年代に多くの映画の主演を務めた早川雪州。現地でも高い人気を得ており、アジア人としては初の国際的映画スターだ。
その後、1950年代には山口淑子が李香蘭名義で主演。他にも新田の父親である千葉真一は『ザ・サイレンサー MAGNUM357』(94年)など複数の日米合作映画に、80年代に全米でニンジャブームのきっかけを作ったショー・コスギも『ニンジャII 修羅ノ章』(83年)をはじめ、7本に主演している。
また、藤岡弘、もハリウッド制作のSFサムライ映画『SFソードキル』(84年)に主演。85年のパリ国際ファンタスティック&SF映画祭で批評家賞を受賞し、藤岡は日本人として初めて全米映画俳優組合に加入している。
他にも今や〝世界のワタナベ〟と呼ばれる渡辺謙もハリウッドでは助演級が多いイメージだが、クラスクリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』(06年)に主演。その地位を築く作品のひとつになっている。
「彼ら以外にも三船敏郎や丹波哲郎、高倉健など昭和の銀幕スターもハリウッド映画に出演していますが、いずれも助演クラス止まりで主演ではありません。今回の『聖闘士星矢』は日本の人気アニメが原作ですが、それでも新田真剣佑が主演を射止めたのはスゴいの一言」(映画ジャーナリスト)
親子2代にわたるハリウッド映画主演はアメリカでも珍しいケース。千葉真一も草葉の陰からこの朗報を誰よりも喜んでいるに違いない。