令和の怪物・佐々木朗希がエキシビションマッチ初戦となる阪神戦でつまずいた(7月27日)。初回、佐藤輝明に2ランを浴びた。この日の最速は156キロ。41球を投げて3回3安打2失点。佐藤の2打席目は3球三振とやり返しているものの、「怪物」の称号に相応しいピッチングは見られなかった。
「次回登板と合わせて、今後、先発ローテーションでやっていけるのかどうか、合否が下されると思います。通常のローテーションと同じ『中6日での登板』ができるのかどうかが、次回8月3日の登板でテストされます」(ベテラン記者)
しかし、単に中6日で体力が回復するかどうか、しっかりと調整できるのか否かが問われるのではない。「走者を出すと、投球フォームがおかしくなる」という課題はこれまでにもあったが、ロッテ首脳陣は、ブルペンと試合本番での違いにも着目していたという。
「ブルペンでは、本当に凄いボールを投げています。でも、試合が始まってマウンドに行くと、投球の質が落ちるんです。直球はシュート回転するときもあるけど、合格点ギリギリ。変化球に関しては別人」(関係者)
緊張感もあるのだろう。ロッテ首脳陣は変化球のクオリティーが落ちることを「準備不足、自分に合ったブルペン投球数がまだ分かっていない」とバツをつけるのと同時に、「せめてスライダーだけでも」と、心配しているそうだ。もっとも、高校時代の佐々木を取材した学生野球担当の記者、スポーツライターなどは「佐々木のスライダーは、160キロ超えの直球と同じくらい、代名詞になっていた」と言う。
プロ入りして精度が落ちたなんてことはあり得ないので、試合直前のブルペン調整ができていない証拠とも言えそうだ。その課題のブルペン投球だが、こんな情報も聞かれた。
「試合後、井口資仁監督は『スライダーがしっかり投げられるようになった』と評価していました。直球が良くなったのは佐藤に打たれた後からでしたが」(前出・ベテラン記者)
この日は過去の登板日よりもブルペンでの投球数を少し増やしたとの情報も聞かれた。まだ試験段階であり、コンディションや暑さによって、投球練習数を変える必要も出てくるだろう。ブルペンとマウンドでは“別人”。この課題をクリアしなければならない。次回登板も試行錯誤となりそうだ。
(スポーツライター・飯山満)