3月25日、アメリカ連邦議会議員のマーク・ポーカン氏が、宅配大手のAmazonの労働問題を巡り「労働組合を潰そうとしたり、労働者にペットボトルに“小水”をさせたりするのが進歩的な職場とは言わない」とツイッターに投稿。すると、Amazonの公式アカウントである「Amazon News」が即座に「もし、それが本当であれば誰もうちで働かなくなってしまいますよ」と否定ツイート。この応戦が話題となっていたが、事はこれだけでは済まなかったようだ。
その後、多くのジャーナリストやドライバーたちからAmazonの宅配ドライバーがペットボトルで用を足すのは事実だと証拠を突きつけるツイートが相次ぐと、Amazonは公式サイトで「不正確なツイートだった」とポーカン議員に謝罪。ただ、ペットボトルにしていないと説明したのは「ドライバーではなく物流センターのことについて述べたもの」であると釈明をしつつ、「交通状況や都市部でないところを運転する際にはトイレを探すのに苦労することがあることを知っており、それは業界全体の話でAmazonに限った話ではない」とむしろ開き直っていたのだが、この謝罪文は現在は削除されている。
「ペットボトルに用を足さなければならないほど忙しく、過酷なアメリカのトラックドライバーの現状が明らかになりましたが、実はこれ日本も同じなのです。道路の中央分離帯などにラベルを剥がした飲みかけのお茶のようなットボトルが落ちているのを見かけることがありますが、実はあれ、トラックドライバーが用を済ませたペットボトルであることも少なくありません。日本では新型コロナウイルスの影響で失業率が上がる一方で、未だに運送業界では人手不足に悩まされており、ドライバーは多くのノルマを抱えて長時間労働を強いられているのです。また、大型トラックでは路上駐車は出来ず、ほとんどのコンビニの駐車場も大型車に対応していないため、仕方なくペットボトルに…というドライバーもいるのです」(運送業に詳しいライター)
そんな状況では、なかなかドライバーの人手不足が解消されることは難しいだろう。
(小林洋三)