「ガリガリ君」の“当たり棒”偽造事件はなぜ起きた?「レア景品は10万円で」

 アイスキャンディーの人気ロングセラー商品「ガリガリ君」。その当たり棒の偽物を郵送し、製造元の赤城乳業(埼玉県深谷市)からキャンペーン景品をだまし取ろうとしたとした、秋田県在住の男(43)が1月6日、埼玉県警深谷署に詐欺未遂の疑いで逮捕された。

 全国紙の社会部記者が言う。

「男が偽造したのは人気アニメ『ポケモン』とコラボした期間限定商品(販売は昨年6月から7月末まで)で、6本入り『大人なガリガリ君 ゴールデンパイン』の当たり棒。通常『ガリガリ君』は、当たり棒が出るとスーパーやコンビニなどで、1本と引き換えとなるのですが、この当たり棒は非売品のレアなポケモンカードと交換となるため希少価値が高かった。そんななか、昨年の11月上旬、赤城乳業宛に男から当たり棒が入った封筒25通が届き、その的中率の高さに違和感を覚えた担当者が警察に相談、偽造が発覚したというわけです」

 赤城乳業によれば、これまでに当たり棒が偽造されたというケースはないとのことだが、事件を重く受け止めた同社では、公式サイト上で《当り棒の偽造品がフリマサイト・フリマアプリ等で出品されている可能性がございます。ご購入されないよう、ご協力何卒宜しくお願い申し上げます》と、注意喚起を呼び掛けることに。

 オークションサイトを覗いてみると、「ガリガリ君」関連のアイテムが高額で取引されていた。なぜ、そこまで人気があるのだろうか。

「理由はズバリ、様々な企業やキャラクターとのコラボレーションの多彩さでしょうね。『ガリガリ君』の景品はTシャツやタオル、お守りにQUOカードと、とにかくラインナップが多く、ポケモンをはじめ、スターウォーズやサッカー日本代表、GReeeeNなどとコラボしたTシャツやタオルマフラー、秩父鉄道とコラボしたトートバックなどは、オークションサイトの定番商品になっています。なかでも一番人気なのが、今回の事件で話題となったポケモンカードで、10万円以上で出品されているケースもあります」(情報誌ライター)

 男の自宅からは、他にも10数本の偽造当たり棒が押収されているというが、カードを転売して現金化するつもりだったのだろうか……。

「逮捕された男には子供もいて、妻の実家がある鹿角市に移り住んでからはマジメに働いていたそうですが、勤務先が潰れてしまい、無職になってしまったようです。で、ここ数年はネットで購入した商品を転売する生活だったようですからね。偽造した当たり棒で大量のポケモンカードをゲットし、転売で荒稼ぎするつもりだったのではないでしょうか」(前出・社会部記者)

 もちろん、景品を騙し取る目的で商品を偽造したとなれば、無印私文書偽造罪及び、詐欺(未遂)罪が成立する可能性があるが、ニセモノを作って一度に25本も郵送するとは……。ともあれ、「ガリガリ君」ファンを唖然とさせた、トホホな事件だった。

(灯倫太郎)

※写真はイメージです

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