「家に飾っていた数年前の干支絵馬をメルカリで売っちゃいました」
そう話すのは、30代のOL。トンでもないバチ当たりに思えるのだが、
「確かに、自分で買って願かけしたものなら抵抗はあるけど、無料で配られていたものだから、別にいいかなって‥‥」(前出・OL)
それは都内にある東京大神宮の絵馬。しかも三が日に先着1000名に無料配布される特別バージョンなんだとか。恋愛成就の神社として知られる東京大神宮だけに、恋に破れた者の腹いせなのか、意外とメルカリに出品されていることが多い。相場としては500円前後。無料だと思えば、悪くない金額だ。
しかし、中古品売買に詳しいライターの吉岡幸二氏はこう話す。
「限定品で非売品、それに加えて、昨今の神社ブームと、本来なら高値がつく要素がそろっています。おそらく数年たってしまったのがよくなかったのでしょう。正月にふるまわれた直後に出品すれば、2000~3000円の値段でも購入者が現れたはずです」
家にある絵馬より配布ホヤホヤのほうが売れるなら、21年の初詣でふるまい品をゲットするしかない。東京大神宮の他に、都内では芝大神宮が元日の先着100人に縁起物をふるまい、千葉・袖ヶ浦の笠上観音正福寺や埼玉・熊谷の妻沼聖天山ではお守りが配布される。だが、21年は3密を避ける正月。無料配布自粛の可能性もある。前途多難な21年になりそうだ。
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