依然として高い好感度をキープしているお笑いコンビのサンドウィッチマン。伊達みきおと富澤たけしは、漫才とコントはもちろん、司会やパネラー、ロケにフリートークもできるオールラウンダーとあって、安心してどんな番組も任せられるとテレビマンの間で評判だ。
11年に地元・宮城県を中心とした東日本大震災が発生すると、イベントや番組を通じて復興支援の旗振り役になった。郷土愛が強いため、コント番組「東北魂TV」(BSフジ)、「サンドのぼんやり~ぬTV」(TBC東北放送)、ラジオ「サンドウィッチマンの東北魂」(ニッポン放送)、「サンドウィッチマンのラジオやらせろ!」(fmいずみほか東北のコミュニティFM)は、売れっ子になった今も継続している。
そんななかで異彩を放つのが、北海道ローカルのバラエティ番組「熱烈!ホットサンド!」(STV札幌テレビ)だ。宮城県、現在の活動拠点である東京ならまだしも、全国区タレントのサンドが北海道で冠番組を持つことに違和感を覚えるファンは多いかもしれない。しかし、このローカル番組は、ある奇跡を起こしていた。富澤のショートムービー初監督作品が、2018年の「札幌国際短編映画祭」で話題賞を受賞したのだ。
「番組の放送200回を記念して映画を制作したのですが、富澤が初めて原作を手掛けたとともに、初メガホンを取ったのです。短編作品の『聞き込み』と『花嫁の手紙』で、相方の伊達は俳優として両方の作品に出演。富澤は『花嫁の手紙』だけに出演しました」(芸能ライター)
昨年10月には、東京でも上映会が予定された。ところが、台風19号の接近にともない急きょ中止。メディアで大きく報じられることがなかったのは、そのためだ。
「『聞き込み』には、元グラドルで女優の川村ゆきえが女性刑事役で出演。伊達とのアドリブが見どころでした。『花嫁の手紙』には、13歳のときに『第10回全日本国民的美少女コンテスト』演技部門賞を受賞した福田沙紀が出ています。ほかにも風間トオルや川上麻衣子といった実力派が脇を固めました」(前出・芸能ライター)
惜しくも東京では上映中止となった短編映画「花嫁の手紙」は、サンドの中でも特に人気が高い漫才ネタの映像化。おっちょこちょいの花嫁が結婚式で巻き起こすドタバタ劇と、泣ける親子愛を描いた。キャストも豪華だが、それをまとめ上げた富澤の才能も評価されるべきだろう。
子どもから大人まで、理屈抜きで笑えるのがサンドのネタ。所属事務所の公式YouTubeチャンネル「グレープカンパニーチャンネル」にアップされているコント動画は、総再生回数が2000万回超えも珍しくない。
サンドの快進撃。まだまだ終わりそうにない。
(北村ともこ)