「鬼滅の刃」効果で経典がお宝化!? 100万円で落札された“大般若経”とは?

 写経などは囚人が刑務所の中でやるものとばかり思っていたが、シャバでも写経をする人が大勢いるらしい。

「ストレス軽減や集中力アップ、認知症予防から美しい字が書けるなど、写経の効能は多岐にわたっており、中高年に限らず若者にも静かなブームになっています。チャレンジする人が増えれば、それだけ投げ出す人も増える。そのため、中古市場で経典が売りに出される機会も増える」

 こう話すのは、中古品売買に詳しいライターの吉岡幸二氏。実際にヤフオクを見てみると、驚くほど盛況。江戸時代の木版、大般若波羅蜜多経600巻中の419巻が、なんと100万円を超える価格で落札されていた。一方で、臨済宗の経典に読経音声CDが付いたものは300円と、値段はピンからキリまで。吉岡氏が続ける。

「超高価な経典は古書マニアが買い求めるもので、実家が寺でもないかぎり、一般家庭にはないでしょう。ただ、写経中級者になると『歴史を感じられる経典で』と考える層もいます。家に古めかしい経典があるなら、数千円の価格がつく可能性もあります」

 そして、宗派によっても価格が変わってくる。

「般若心経の次に阿弥陀経を写経する人が多く、阿弥陀経のほうが高値になります。また人気漫画『鬼滅の刃』で阿弥陀経を唱えるキャラがいて、今後も安定して高値が見込めます」(前出・吉岡氏)

 お宝化した経典を高値で売りさばいてバチなど当たりませんように……。

マネー