USJ、HISも採用見送り!? 就活生がコロナ禍の就職氷河期にすべきこと

 長引くコロナ不況によって学生の就職活動にも影響が出ている。テーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)、旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)、航空大手の日本航空(JAL)やANAホールディングスなどは、来年(2021年)4月卒業予定の大学生の採用を見送る方針だ。

 人材大手のリクルートキャリアの調べによれば、8月1日時点の内定率は81.2%と前年同時期(91.2%)と比べて大幅な低下となった。しかし、22年卒(現在の大学3年生)はそれ以上に厳しい就活になる可能性が高いという。なぜなら、今夏はインターンを中止する企業が相次いでいるからだ。

 例年通りであれば、22年卒の就活のスケジュールは、この夏からインターンシップが始まり、来年春から企業の採用情報が公開され、6月から採用選考という流れだった。しかし、現在の大学3年生からは「行きたかった会社が全部インターン中止になった」「インターン先の会社がテレワークになって『誰もいないオフィスに来てもしょうがないからもう来なくていい』って言われた」などの声で溢れているのだ。

「インターンに参加している学生は内定を獲得しやすいというデータがあります。現在、すでに内定をもらっている学生(21年卒)の中には、昨年夏からインターンを経験していたという人が多くいます。採用する企業にとって、インターンを経験した学生は即戦力としても期待できるため魅力的なのです。しかし、インターンを経験できない22年卒の学生の就活は難航しそうです。私の周りでも『うちの会社は22年卒をとらない(あるいは採用数を減らす)予定』と話す企業の人事担当者や経営者は大勢いますし、中には『インターンができないなら学歴で判断して採用するしかない』という企業もあります」(就活コンサルタント)

 2008年のリーマンショック後の就職氷河期よりも、さらに厳しい選考を強いられることになりそうだ。では、22年卒の学生たちはどのような就活を行えばいいのだろうか。人事コンサルタントは、これからの時代は「既存の就活システムに依存せず、自分の頭で考えて行動することが大切」と語る。

「現在、大卒の就活生の人数は約40万人にのぼり、毎年それらの学生がいっせいに選考フローへと進みますが、同じ土俵で少ない企業の採用枠を狙うのはライバルが多すぎるし効率も悪い。別に就活サイトへの登録や合同説明会への参加といった既存の就活システムを使わなくたって、やり方次第でいくらでも有利な就活はできます。行きたい企業の社長のSNSアカウントにメッセージを送る、社長の行きつけの店を突き止めて挨拶に行く、行きたい会社に片っ端から電話してアルバイトとして働けないか交渉する、選考倍率の低そうな海外営業所経由で応募するなど、いくらでも方法はありますからね」

 コロナ不況による就職氷河期到来が叫ばれる今、就活のあり方も変わりつつあるのかもしれない。

(橋爪けいすけ)

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