“西の女帝”の牙城と目されていた人気番組「怪傑えみちゃんねる」(関西テレビ)が突如最終回を迎えたのは7月24日のことだった。これで上沼恵美子がメインを務めるテレビ番組は2本となり、以前と比べて在阪テレビ業界に対する影響力が低下したと囁かれている。その象徴とも言える出来事が、8月6日の夜23時17分から放送される『やすとものいたって真剣です』(ABCテレビ)の番宣にて告知された。
「ここ数年で、メキメキと頭角を現し始めている海原やすよ・ともこが、人生のターニングポイントを迎えようとしている芸人と共にトークを行う深夜番組です。この番組に、なんとお笑いコンビ『とろサーモン』の久保田かずのぶがゲスト出演するんです」(在阪テレビ関係者)
久保田といえば、「M-1グランプリ 2018」(朝日放送)の放送終了後、別の芸人のインスタライブに登場。泥酔した様子で、「オバハン!」と連呼して「感情だけで審査せんといてください」などと声を荒げるシーンが注目を集めた。名指しこそしなかったものの、唯一の女性審査員だった上沼への批判とも取れる内容に、マスコミを賑わす騒ぎに発展。以来、在阪のテレビ局では番組での起用を自粛していたという経緯がある。
「これは、大事件ですよ。上沼さんが、かつてのような影響力を持っていたら、テレビ局が自主的な配慮で久保田の出演は絶対になかったでしょうね。しかも、上沼さんにとっては、次々と新番組をモノにして自身の領域を脅かす宿敵とも言える“やすとも”の番組に出演するんですから。上沼さんにケンカを売ったような格好なので業界は騒然。『久保田の暴言は大丈夫か?』とその毒舌を警戒しています」(前出・在阪テレビ関係者)
海原やすよ・ともこと言えば、今年の春に2本の新番組がスタート。メインを務めるテレビのレギュラーは4本となり、今や関西のテレビ番組では随一の本数を誇る活躍ぶりだ。「もはや、関西では敵なし状態で、“ポスト上沼”の名をほしいままにする二人だからこそ、上沼の影響力などお構いなしでとろサーモンの出演が実現したのでは」と、前出のテレビ関係者は推察している。
話題となった「番宣VTR」において久保田は、「初めてじゃないですかね。テレビで人の悪口を言わなかったの」と、きわめて優等生的なコメントをしている。
しかし、実際の放送となったら、不自然なトークの編集や炎上ネタを匂わせる微妙な会話がお茶の間に流れるかもしれない。ひと昔前なら“匂わせ”すら絶対に許されなかったキャスティングとも言える。事情を知る在阪のテレビ関係者の間では、「上沼包囲網」とも受け取れる注目の共演だけに、久保田が何を語るのか注目したい。
(近田ラリー)