夜のピンク嬢が語るコロナ禍の借金地獄「閉店後もホストが売り掛けの回収に」

 新型コロナウイルスで大きな打撃を受けている業界のひとつ、夜のピンク業界。多額の借金がありながら、コロナで収入が減ってしまったという出張型の性産業キャストに話を聞いた。乃亜さん(仮名)、28歳。

「勤めているのは都内のデリです。10代の頃からですね。一度、別の系列店に移ってますが、今の店にはもう6年くらいいます。最初から借金前提で始めたんです。高校の時に、父親が経営してた工務店が潰れて破産して。何とか高校は出たんですけど、債権者が家に来てたりとかで、家を出て夜のクラブでバイトして…。その時のお客さんに『デザイン系の専門学校に行きたいんだけどお金がない』って話したら、その人が無担保低利子で借りる段取りを整えてくれたんです。奨学金とか調べてもよかったんですが、どうせ借金なら一緒かなって。そのとき交換条件みたいな感じで紹介されたのが、性産業の仕事だったんです。クラブ嬢の方は売れっ子じゃなかったし、同伴やアフターでお酒飲まなきゃいけないとか、学校行きながらは無理かなって。まあ結局、学校の方も合わなくて卒業しないでヤメちゃったんですけど(笑)」

 専門学校を退学した後も“デリバリー”の仕事を続けたという乃亜さん。

「専門学校ヤメた後も、借金は残ってるんで“デリ”を続けてました。その頃、店にいた子に連れられて行ったホストにハマっちゃったんです。仕事で飲む酒はマズかったのに、チヤホヤされて飲む酒はものすごく美味しくって(笑)。ヤキモチ焼いたり、他のお客と張り合ったり…。なんですかね、青春? 高校も途中からあまり行ってなかったし。そういうの憧れてたっていうか。気がついたら、性産業で働き始めたときより借金が増えてて…。3年くらい前にマズいなって思って、地方の出稼ぎ入れたり、出勤増やしたりして、また少しずつ減らしていきました」

 コツコツと働いて、ようやく将来の展望が見えかけた矢先、コロナショックが夜のピンク業界に大打撃をもたらした。

「コロナはキツかったですね。ガコっと売上げ減りました。地方はまだイケるって聞くから、そろそろ行くかって思ってます。でも、うまくできているもんで、通ってたホストクラブがコロナで閉店しちゃったんで、支出の方も減ってるんですよね。そしたら、在籍してたホストが売り掛け回収しにきて。店潰れてんのになんでだよって(笑)。必死になってる姿見たら、ショボって…何か冷めちゃって。なんでこの男に金遣ったんだろうって。可哀相だから、払いましたけど(笑)」

 こう言ってたくましく笑う乃亜さん。ホストとの“悪縁”が切れたのは、コロナ禍での唯一の吉事だったのかもしれない。

(オフィスキング)

※写真はイメージです

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