6月23日、立ち乗り式電動二輪車「セグウェイ」の生産が7月15日をもって終了することが製造元企業によって発表された。発売当初は“未来の乗り物”と言われ大きな注目を集めたが、広く一般には普及することなく、ひっそりとその姿を消すこととなった。
「セグウェイはブレーキやアクセルがなく、体の重心を移動させて操縦するという画期的な乗り物で、2001年から販売開始。マイクロソフトのビル・ゲイツやアップルのスティーブ・ジョブズが『人間の移動形態を変える革命的な製品』と絶賛したことでも大きな話題となりました」(社会部記者)
しかし、法律上の問題から、日本では公道を走ることが許されず、また1台6000ドル(約64万円)ほどと高価な値段設定だったことから購入者は少なく、イベントで使用されたり、空港やショッピングモールの警備に利用されるにとどまった。
「印象的な事故が多かったことも、売り上げを伸ばせなかった理由ではないでしょうか。03年には当時の米大統領であるジョージ・W・ブッシュが休暇中にセグウェイから転落したことが報じられ、09年には『セグウェイ社』を買収したイギリスの投資家、ジミー・へセルデンがセグウェイの運転中に崖から転落して死亡。15年の世界陸上北京大会では、ウサイン・ボルトがセグウェイに乗ったカメラマンに追突される衝撃的な事故が発生し、世界中から批判が殺到したこともありました」(ITジャーナリスト)
将来、実用性のある違う形で現れることを期待したい。
(小林洋三)