NHKが3月1日から試験的にスタートさせたインターネット配信サービス「NHKプラス」の申込が、開始からわずか2日で10万人を突破したことを明らかにしたが、これに“受信料全世帯負担に対する議論が加速するとの声が聞かれる。
「NHKプラスはテレビ番組がネット上で見られるだけでなく、見逃した番組もアーカイブから視聴することができます。本格スタートは4月1日を予定しており、現在は試験放送中であるにも関わらず申込みが殺到している状況という。NHKは20年末までに最大で350万件の利用を見込んでおり、これが実現すれば日本国内で利用者数トップの約300万人を誇る映像ストリーミング配信の『ネットフリックス』を上回る可能性もあります」(社会部記者)
5日の会見で、NHKの前田晃伸会長は「NHKプラスを実際にご利用いただければ、受信料の価値をより実感していただけるものと確信しています」と自信をのぞかせていたが、この発言に対してある懸念を指摘する声もある。
「4日に『日本経済新聞』が、総務省が4月をめどに有識者会議を立ち上げ、NHKの受信料がテレビの有無に関わらず全世帯が負担するドイツのような仕組みも含め、幅広く検討することを報じました。もし、NHKプラスの利用者が増え続けた場合、全世帯負担の議論がさらに加速するという見方もあるんです」(ITジャーナリスト)
ネット上でも、《こんなに申込者がいるんだ。NHKに受信料の全世帯負担を言い訳を作らせるだけなのに》《頼むからNHKプラスを有料にしてくれ。テレビでもネットでもNHKを見ていないから受信料は払いたくない》《やっぱり、NHKプラスのスタートは受信料を全世帯から取るための布石》などの意見が寄せられている。
ジリジリとNHKの思う方向へ進んでいるのかもしれない。
(小林洋三)